10月25日の夢(検札)

 列車に乗っている。中年男性の車掌が検札に回ってきたが、もう駅に着いてしまい、乗客が降り始めたところだ。今さら検札の必要もないだろうと思うが、これもせっかくの記念ではないか。あえて、「最後の一人」の乗客として、ぼくは彼から検札のハサミを入れてもらう。車掌は向こう向きで立っていたのだが、ぼくのためにわざわざ振り向いて検札をしてくれた。
 妻は検札など受けずに、さっさと列車を降りてしまった。さあ、ぼくも降りなくては。しかし、ぼくは逆に列車の中の階段を二階に駆け上がる。二階にはぼくの部屋があり、せっかく検札してもらった記念の切符よりもっと大切なものが、その部屋にあるのだ。ぼくは切符ではなく、その大事なものの方を抱えて再び階段を降りる。

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