2月12日の夢(硫酸亜鉛)

 「薬としては硫酸亜鉛だけですね」という男の声がしたので、執務中の机から顔を上げると、白衣を着た薬剤師らしい男が立っている。ぼくと同僚の男のデスクの上の壁に丸い皿が飾ってあって、そこに「硫酸亜鉛」というラベルが貼ってあるのをさっき上司に怒られ、取り外したばかりだった。硫酸亜鉛は劇薬だからだ。「いや、そんなはずはない。硫酸亜鉛なんて要らないよ」と、ぼくは否定する。男は残念そうな様子で、「何か薬は要りませんかね? 私は○○から来たんですよ」と言う。女性社員が「○○って、どこ?」と尋ねると、「砂田橋のそばですよ」と言う。そういう地名は知らないが、すごく遠いということだけは分かる。「えっ、そんな遠いところから来たの?」と、ぼくはびっくりする。
 家で妻と「現代詩ゼミ」の録音テープを聴いている。第一部が終わって、第二部が始まる。第二部の司会をしているのはM氏だ。なぜかゼミナールなのに、歌ばかりが録音されている。そのテープを再生しながら、妻が玄関の方に行くので、なぜだろうといぶかしみながら、ぼくも玄関に出る。すると、ゼミから流れてきた詩人たちが大勢我が家にやってきたところだった。我が家の隣には成城の広大な敷地を持つお屋敷があって、彼らは勝手にそのお屋敷に上がり込み、客間に座ってくつろいでいる。これでは無断侵入ではないか。ぼくも慌てて後から入り、玄関から「ほらほら、この家の主人が来るよ。なんといって、弁明するの? その席に座っていると、あんたが一番偉そうに見える。あんたが追求されるよ」と、一番上座に座った男に呼び掛ける。実際、窓越しにこの家の主人がやってくるのが見える。男は焦って、玄関に降りてきて、主人にああだこうだと弁明を始める。

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