« S、OSだ。 | メイン | 電子ブック漂流記 12) »

2013年01月13日

電子ブック漂流記 11) テキスト文の縦書き、実現。

日本語の電子ブック、ことにePubブックの弱点であり「電子ブック漂流記 10)」の宿題でもあったテキスト文の ”縦書き” がようやく可能になった。
日本語の特性や味わいを生かすには ”ヨコ書き” ではもの足りない。あるいは読みにくい。疲れる。これは長編であるほどそうで、実際、これまで電子書籍になった日本語の ”ヨコ書き" 小説はいずれも不人気だった。

小説やエッセイ、そして詩。文字オンリーで構成されるこれら日本語の文芸作品を完全な ”縦書き” で「ePubブック」化する。画像や映像で代替えすることなくテキスト文のみで実現する。「電子ブック漂流記」がやっと辿り着いた新大陸であり原点だ。
これまでも”縦書き” を実現している電子ブック形式は以前にも触れたようにいくつかあった。また単体のアプリ*もけっこう多い。けれども、国際標準でありライセンス不要、汎用性が高くかつ格段に作成が容易なePub形式での実現はそれらとは一線を画すものだ。

縦書きにしたePubブックをたとえばiPad(iBooks)で見るとこのようになる。(画像をクリックすると拡大します)

yumesen.jpg

これはa Happy Blogユーザーであるisshikiさんのブログ「ころころ夢日記」を縦書きにしたものだ(算用数字はとりあえずヨコ向きだが縦向き可)。「ころころ夢日記」は一昨年『夢千一夜』のタイトルでヨコ書きによりePubブック化し刊行させていただいたが、これも近々縦書き仕様で再刊行させていただく予定だ。
縦書きePubブックは、ルビや傍点はもちろん、いわゆる禁則処理も可能で、書体の自由度も高い。もちろん実際の本のようにページをペラペラとめくる感覚も味わえる。iPhoneのような小型端末でも十分にブックとして実用に堪える。
うれしいことに、パソコンのブラウザでも縦書きePubブック対応がすすんでいて、SafariやGoogle Chromeでも読めるようになった。
ニポンでの電子ブックの展開はやっと本番を迎えたといえる。

つづく

*国際基準や汎用の仕様(フォーマット)に依らず、特定の書籍専用にプログラミングされた電子書籍。

投稿者 oqx1 : 2013年01月13日 22:54

コメント

コメントしてください




保存しますか?