1月11日の夢(怒鳴り込み)

 S誌の座談会が行われる部屋の前に、準備のため椅子を並べていると、出席者の一人の女性詩人がやってきた。彼女にいったんは椅子を勧めるが、直接部屋に入ってもらってもいい時刻だと気づき、「お部屋の方へどうぞ」と言いながら、ドアを開ける。しかし部屋の中は異常に狭くて汚く、まるで荷物置き場のようだ。座ってもらう椅子も一脚しかない。「こんなところで座談会ができるわけないじゃないか」とぼくは激しい怒りを覚え、すぐに部屋の変更を求めて貸し会議室のフロントに怒鳴り込むことにする。
 フロントの前は大きな会議室になっていて、粛々と某詩人クラブのイベントが行われている最中だった。ぼくは司会席ごしに首を伸ばして、フロントの男に抗議を始める。それがちょうどマイクの前だったので、ぼくの怒声はマイクで会場中に響き渡ってしまう。フロントの男はぼくに「文句があるなら情報部に直接言え!」と冷ややかに答える。クラブの男たちも威嚇するように周りに集まってきた。ぼくは男の胸ぐらをつかんで、思わず相手をぶちのめそうとする。
 そこで唐突に夢は中断され、気づいたときはぼくはまた、何事もなかったように座談会の会場に向かっている。階段を登って詩人のH氏が現れるが、ぼくは無言で会釈をしただけで、彼をやり過ごす。もう会場は適切な部屋に変更されているだろうか? と期待してドアを開けるが、そこはあいかわらず狭くて汚い荷物置き場のままである。

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1月5日の夢(名刺と渡り鳥)

 会社で残業をしていると、声高に会議をしている部屋がある。一番玄関に近い会議室に暴力団ふうにも見える若い男たちがぎっしりと詰めかけているのだ。奥の自分のオフィスに戻ると、そこは半分壁がなく、外気にさらされているので、とても寒い。空を見上げると、渡り鳥の大群が飛んでいるのが見える。「気だ! 季節が変わるんだ!」という声が聞こえる。ぼくははっと我に返り、夢中で慌てて渡り鳥の写真を撮る。
 そこへ人相の悪い男が一人でやってきて、挨拶もなしにいきなり、ぼくの詩作についてインタビューを始める。明らかに会議室にいた男たちの一人だ。一通り答え終わった後、ぼくは男に「名刺、いいですか?」と、身分の証明を求める。男が「うん、別にいいよ」と答えるので、ぼくもスーツのポケットから名刺入れを出すが、中に入っているのは全部他人の名刺だ。隣の部屋に探しに行くが、そこにもぼくの名刺はない。
 オフィスに戻ると、男の姿は消えていて、「明日、静岡県まで取材に行け」と指示が出る。時計を見ると、もう夜の11時半だ。家に帰るのもやっとなのに、また明日は早起きか。やれやれと思う。

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1月2日の夢(渋谷のデストピア)

 メトロの渋谷駅から降りて、エレベーターに乗る。階数表示板には数字のほかに「T」という符号も打たれていて、ぼくはそのボタンを押してしまう。乗り合わせた男女が「えっ?」という表情でぼくを見る。
 「T」というフロアで降りる。デパートのはずなのに、そこには何もなく、廃墟のようだ。仕方なく階段を降りる。階段には浮浪者の男たちがぎっしりと寝ている。うっかり一人の男の上に傘を落としてしまい、男は「何をするんだ?!」とぼくにすごむ。こわごわ男たちの脇を通り抜けて、階下のデパートとして営業しているフロアに降りる。そこでもお客の姿は少なく、納入業者が店長らしき男に何事か激しく譴責されている。一階から隣のビルに行こうとする。そこもぼくの記憶では同じような商業ビルのはずだ。だが、ビルは見当たらず、右手の丘のように小高くなった緑豊かな道を沢山の男女が急ぎ足で歩いて行く。きっとその方向にJRの渋谷駅があるのだろう。その道を人々と反対方向に、巨大な銀色の馬のような動物が一人の農夫に引かれていく。戦後初期の農村のようなのどかな風景だ。慌てて写真を撮ろうとするが、撮りそこなう。ふと足元から声がするので見下ろすと、犬ほどの大きさの継ぎ接ぎされた鯉のぼりのような玩具が、ぐるぐると輪を描いて歩いている。それがしきりに女の子の声でぼくに話しかけるのだ。カメラで何枚も写真を撮っているうちに、体表の一部が剥がれて中に少女の顔が見える。そばにいた女性が「かわいそうに、こんなところに押し込められているのね」と声をかける。

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12月22日の夢(ヴァーチャルな海)

 会社で仕事をしている。午後1時にクライアントと合流して、ユーザー取材に出かける。しかし、取材先の家では4時に出直すように言われ、いったん会社に戻ることにする。湘南の海が目の前に広がっている。海はそのままでも美しいと思うが、デジタル・プロジェクションで太陽にきらめくエメラルド・グリーンの海が、実在の海の上に合成されている。波打ち際数十センチのあたりまでは本物の海なのだが、いくらじっと見つめても合成の境界線が分からない。ヴァーチャルの海の浅瀬には緑色の海藻がからまって浮いている。沖には船が航海し、右手からは若い男性たちが数人、並んで泳いでくる。彼らはヴァーチャルなのかリアルなのか分からないが、海は色彩こそ緑に変えられているものの、とても自然だ。
 会社に戻り、掃除などをしながらふと腕時計を見ると、3時だ。まだ時間があると思い、次に見るとやっぱり3時だ。見直すと、時計は止まっている。実際はもう5時ぐらいなのだろう。取材に戻る約束の時間をとっくに過ぎている。でも、これは夢なのだから戻らなくていいと思うものの、罪悪感にかられる。

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12月19日の夢(走るオフィス)

 会社が改装されることになり、オフィスの配置換えも行われることになった。真ん中の部屋には三台ベッドが置かれ、仮眠室として整備される。ついでにビル全体が列車になり、線路が廃止されたあとの跡地を走ることができるようになった。窓のある側だけでなく、内部にある部屋の壁にも大型スクリーンが設置され、どの部屋も窓からの疾走する風景を楽しめる。街中どこでもいいわけではないが、廃線の跡地なら自由に走ってよいのだという。廃線の行き止まりには確か郵便局があったはずだが、実際に列車オフィスに乗って行ってみると見当たらない。きっと廃止されてしまったのだろう。6時の退社時間を過ぎたが、列車オフィスが面白いので、そのまま残業することにする。
 同僚の初老の男性の夫人が家出してしまったと嘆いている。孤独になった男を同僚たちがみんなで慰める。向かいのビルのベランダから、クレーンで空中に身を乗り出し、励ましの演説をする男もいる。その甲斐あって、夫人が車で戻って来た。会社全体が歓喜に包まれる。

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12月14日の夢(飛行機に乗り遅れる)

 仕事で会社のメンバーの八時発の飛行機でパリに発つ予定だ。しかし、まだ15分ほど余裕があるので、近くの商店を回り、品定めをしながら食べ物を買う。買い終わって腕時計を見ると、8時5分だった。

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12月13日の夢(詩人たちの来訪)

 夜、玄関のガラス戸の向こうに、人気詩人のN氏をはじめとする多くの詩人たちが近づいてくるのが見える。葬式か何かの流れで、みんなで立ち寄ってくれたらしいが、彼ら自身が死者であるような気もする。玄関戸を開けて招き入れ、皆で部屋に入って雑談する。ぼくは「前にもこんなことがありましたね」とN氏に言う。妻が自分の作った小詩集の値段一覧表を急いでつくり、「こんなものでいいかしら」とぼくに尋ねる。彼らにそれらの小詩集を特別価格で買ってもらうつもりらしい。ぼくは「さあね」と答えながら、自分も何か売るものがないかと、書棚を見るが、最近同人誌に入っていないせいもあって、何も見当たらない。

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12月7日の夢(赤い靴)

 大きな企業のホテルのように豪華な正面玄関への大階段を降りてきたところで、自分がはいてきた真っ赤な靴をどこかに置き忘れ、靴下のままで歩いていることに気づいた。目の覚めるような真っ赤なスニーカーをはいてきたはずなのに。引き返すが、自分の靴は見つからない。けれども、大階段の下に沢山の靴が積み上げられていて、そこに真っ赤なスニーカーもいくつかある。あの一つを黙って借りて帰ればよいのではないかと、ふと思いついた。

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12月3日の夢(空飛ぶピアノと寂しいバス)

 会社で忙しく働いていると、電話が鳴った。ぼくの取引先の中国人だ。名前すら教えてくれない秘密のクライアントである。その男から仕事の指示書が送られてきた。「〇月〇日にアモイで取材が可能か?」と書かれているが、どんな取材かは分からない。目の前に座っている上司に確認すると、「そういえばアモイには昔NHK職員だった男がいて、腹話術などいろいろ特殊な能力を持っているらしいよ」と言う。同僚が鉛筆ラフを見せてくれる。あるピアノメーカーからMXというアップライトピアノが発売され、その広告の企画らしい。なんとヘリコプターがピアノを空から運んでくる設定だ。実際にはピアノユーザーの家庭訪問取材になるだろうなと思う。だが一か月半の中国取材となると、切れかけたぼくのパスポートが無効になってしまいそうだ。
 退社して電車に乗る。女性がドアを開けっぱなしにして乗っているので、落ちないかとはらはらする。駅に着き、バスに乗り換える。バスの中はとても広くて、小さなホールのようだ。だが、長椅子が三脚ほどばらばらに置かれているだけで、がらんとしている。今度走り始めた新型のバスで、まだ一台しかないのだという。乗客はぼくのほかに男女が一名ずつ。だが、三人とも離れて座ったので、とてもさびしい感じだ。

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11月30日の夢(洪水)

 地面に生首が落ちているように見えたのは、丘のてっぺんの草地で男性が穴を掘っていて、穴の中にいる男性の首だけが地面に突き出しているからだった。その場所を舞台に近くの人たちが集まり、ちょっとしたイベントが始まった。ぼくは「住んでいるのがこの近くなので……」ということで、司会を仰せつかる。
 起きると、知らないうちに洪水が起きていて、あたりが床上浸水している。どの家も配達された新聞がびしょ濡れだが、配達された場所に置かれている。中には「新聞赤旗」も混じっている。それなのに我が家の取っている朝日新聞だけが流されてしまって見当たらない。どこかの家の奥さんが「あら、注文した新聞が届いたわね」と言う。みんな再配達を頼んだのだろうか。我が家は洪水で家族三人が一室に閉じ込められてしまい、朝食をとりながら「洪水になっていたなんて、全然気づかなかったねー」とみんなで話し合う。

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