2月3日の夢(セールスマンに化ける)

 今日は行商のセールスマンになりすますことにする。勤務する会社のそばの小さな鉄工場に入っていく。中年の作業服の社長をはじめ職人たちが手を休めてぼくのリュックから取り出されるボールペンを見つめる。にこにこしながらそのペンを買ってくれる。適当な金額を言うと、ぼくの両手に小銭で支払ってくれた。ぼくは領収証を忘れてきたと言って、その会社の出納帳に「ボールペン代金 ○○円受領」と書き、サインをする。

 いい気分で外に出ると、そこは原宿のビル街だが、森の中のようにも見える。表参道を渡ろうとすると、横断歩道がいちもよりちょっと右にある。変だなと思ったら、その左にもう一つ横断歩道が現れた。どちらを渡ろうかと思案する。

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2月1日の夢(故人との合評会)

 詩の合評会の会場に行くと、旧S社のKa社長と「P誌」創刊時の編集長Ki女史がいる。社長はとうに亡くなったはずだし、編集長は高齢で何もかも忘れてしまったと聞いたのに、二人とも若くて元気そうだ。懐かしい詩人たちの顔も見える。

 会合が終わると社長は隣室に立ち去る。けれど持ち前の大声は健在で、開け放したドアの向こうからこちらに会話が丸聞こえだ。編集長は別の女性と立ち話の最中だが、それに割り込んで「P誌のことをみんな忘れてしまったなんて、うそでしょう?」と話しかける。しかし彼女はうっすらと笑うばかりで、答えようとしない。「では電話番号を教えるわ」と言うので、慌てて鞄の中からメモするものを取り出す。中に入っていたのは、この夢日記のノートだけだ。しかしどのページもぼくの夢の記録だらけで、彼女の言う電話番号を書き取ろうとするが、何度試みても手が途中で震えたり、スペースが足りなくなったりして、書くことができない。「あなたは私の電話番号を聞きたいんでしょ? ならばその数列を全部書けるスペースを出しなさい!」と威嚇するように、ぼくに言う。

 その瞬間、隣にいた頭の禿げた痩せた老人が立ち上がり、ぼくにキスをしようとする。ぼくは激高して「何をするんだ!」と怒鳴りつける。

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1月30日の夢(新しいオフィス)

 会社がきれいにリニューアルされた。一階には新装開店したカフェがある。オーナーが「三階からこちらに移ってきて便利になりました。これからもよろしく」とチラシを配ってくれる。
 二階のぼくの席はガラス張りの窓に面しており、コーナーにはソファーがある。明るくとても快適そうだ。隣には朴訥な感じの若い男性の同僚がいる。
 昼休みになり、ソファーに座ろうとして、はっとする。以前はここにアップライトピアノがあって、自由に練習していたのだった。ソファーの上に指を走らせ、「エリーゼのために」を弾こうとするが、もちろん音は出ない。お金を払ってもいいから、ソファーのかわりに以前のピアノをここに置きたいと思う。

 場面が突如変わり、バスの車内になる。ぼくはカラーの美しい風景写真の束を手にして眺めている。このあたりの昔の様子を写したものらしい。運転席にはデザイナーのN氏がいて、忙しそうにパソコンを扱っている。車内には何人もの同僚たちがいて、それぞれに写真を手にしてはしゃいでいる。

 再びオフィスに戻っている。カフェから木のプレートに載せた四つのカップが出前で取り寄せられたようだ。二つはホットコーヒーで、二つはアイスコーヒーだ。クリープとミルクの小瓶もある。同僚の男性はすぐにホットコーヒーのカップにミルクを入れる。ぼくもつられてクリープをもう一つのホットコーヒーに入れるが、ミルクではなくクリープを入れたのは間違いだったのではないかと、一瞬不安が過ぎる。プレートはこの後、上司の席に回すらしい。上司の意向を確かめずにアイスを回して失礼ではなかったか、とも不安がかすめる。プレートにはほかにお菓子やお寿司も載っている。それらの半分を取って、早く上司に回そうと焦る。

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1月28日の夢(緑色の超現実)

 教室のような場所。ぼくは生徒の席に座っている。教卓にいる男性が「フローベルについてどう思いますか」と尋ねる。生徒席にいる一人の女性が回答した後、男性は「では最後に一色さん」とぼくを指名する。フローベルなんて読んだかどうかも記憶がない。しかたなく立ち上がり、「現実的なものは面白くありません。超現実的なものは緑色をしていて面白い。以上、露文を学んだ者からの回答でした」と言って、すまして座る。

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1月26日の夢(老人コーラス団)

 ぼくは四人の男性コーラスで活動していたが、気がつくと一人欠けて三人になっている。しかも今までのメンバーとは違う、知らない老人の男性たちだ。パンツを楽譜がわりにそこに書かれた歌詞を見ながら歌い始める。意外にみんな高くて張りのある声が出るので安心する。

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1月25日の夢(医者へ行く)

 会社にいる。オフィスは昭和の木造建築で、玄関で靴を脱いで上がる方式だ。今朝はうるさい先輩がまだデスクについていない。今のうちに医者に行ってこようと、デスクの横のフックに帽子を掛け、かわりに文庫本と眼鏡、折り畳み傘を手に取る。でも玄関先で靴を履きながら、片手で三つのものを持つのは難しいなあと思う。

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1月18日の夢(詩を愛でる喫茶店)

 名古屋に詩の賞の主宰者になっている喫茶店があると知人に聞き、早速訪ねてみる。お店はふつうの家のダイニングルームのような感じだ。四角形の大きなテーブルが一つだけ真ん中にでんと置かれて、周りをいくつかの椅子が囲んでいる。コーナーの席に座り、店内を見渡すと、先客の若い男性が二人。それぞれ単独客らしく、別々のコーナーの席に座り、お茶を飲みながら本を読んだり、調べ物をしたりしている。つまり四角形のテーブルの四つの角のうち、三つの角にぼくを含め三人の客がいることになる。

 ぼくは応対に出た中年の女性店主に「詩のコンクールをやられているんですね。全然知りませんでした。このお店はいつからあるんですか?」と尋ねる。彼女は「以前、サワキヨというところから移ってきたんですよ」とだけ答える。

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1月15日の夢(絵画教室)

 ガラス張りの広い部屋にいる。ここはたくさんの人たちが自分のカンヴァスに向かう絵画教室だ。窓の外には大平原が広がっている。突如、窓外の風景に異変が起きる。地面が線状に盛り上がり、それが建物の傍まで迫ってくる。火山の噴火などの天変地異が起きたらしい。だが、ぼく以外に気づいた人はいない。ぼくが逃げようとするのに不審を抱いたらしく、女性が「何かあったの?」と声をかけてくる。窓の外を示そうとするが、さっきの異変はもう見当たらない。

 出口のところで、絵画教室を主宰する画家に見つかり、彼の部屋に連れて行かれる。画家がぼくの話を頷きながら聞いてくれたことで、ぼくの苛ついていた心は落ち着き、穏やかな気持ちになって、帰宅の途につく。

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1月14日の午睡の夢(田舎の家)

 田舎の家に寄留している。家は広いが複雑で入り組んだ構造だ。玄関は特になく、表に面したどの部屋からも家に上がることができる。しかしどの部屋の前も脱ぎ散らされた靴やスリッパが並び、足の踏み場もないほどだ。部屋には蒲団を敷いて、ごろ寝している人たちがいる。老若男女さまざまだ。みんなの靴を蹴散らして部屋に上がり、寝ている人たちの間を縫うように行ったり来たりする。

 一度外に出て、奥の部屋から家に上がろうとする。庭にテーブルが置かれていて邪魔なので、その下を潜り抜ける。積み重なったものを踏み段がわりにして、ぐらぐらする足場を登っていく。振り返ると、三人の男子高校生がぼくの後を追って登ってくる。二階にいる男性がぼくに「今日は登ってくる人が多いね」と声を掛けてきた。

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1月14日の夢(月へ行く)

 月へ行くことになった。急がなければならないが、荷物の準備ができていない。家へ戻り、スーツケースの中に衣類や下着などを必死で詰め込む。なんとか間に合ったと思って外へ出ると、道路のはるか先をみんなが荷物を持って歩いていくのが見える。ぼくに遅れて、一人の老人があたふたと追いかけてくる。

 ようやくみんなに追い着いた。月旅行船の発射基地に向かう新幹線のような乗り物のハッチが、ぼくの前で引き上げられていく。ぼくはスーツケースを持ったまま、えいやっと車内に躍り込む。老人はぼくの後ろにいたので、残念ながら乗り遅れてしまった。車内は月旅行者たちで満席だ。ぼくは自分のシートにゆったりと横たわり、基地に到着するまでの二日間でスーツケースの中の下着を何回変えられるかを、頭の中で計算する。

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