10月9日の夢(大林くん)

 友人と楽しく談笑しながら街の風景を競い合うように撮影して回っている。一緒に歩いているのは、昨年死んだはずの歌人・大林明彦くんだ。カラフルな都会の風景の中に、額縁になった金魚の水槽の画像などが、大きな広告画面のように現れては消えていく。息を呑むほどの美しさだが、おそらくCGによって合成されたものに違いない。

 ふとかたわらのお店の中を覗くと、室内で五十代くらいの美しい女性が講演をしている。大林くんが「あれは詩人のK?」と質問してくる。ぼくは「違う、違う。Kならもっと年をとっているよ」と答える。「じゃあ、あれは誰なの?」と、大林くんは無邪気に質問を重ねる。「知らないよ。どこかの普通のおばさんじゃないの」とぼくは言う。

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