8月9日の夢(新連載マンガの企画書)

 ぼくは広告プロダクションでPR誌を編集している。オフィスはとてもゆったりとして、デザイン性の高い室内に座り心地のよいソファーが点在している。

 ぼくの担当する雑誌の新連載マンガの企画書が出来上がってきた。ちょうどクライアントの男性がやってきたので恭しく迎え入れ、打ち合わせのソファーへ案内しようとしたところで、彼に電話がかかってきた。「急いで行かなければならなくなった」と言う。出口に向かう男と並んで歩きながら、ぼくは企画書の概要を説明する。何人かの編集者がそばにいるが、ぼくは一対一で男と対峙する。緊張の一瞬だ。「一番の問題点は、このマンガでは殺人犯がマンガの発注者自身だということです」とぼくは言う。しかし男は動じず、企画にはゴーのサインが出た。ぼくと仲の悪かった前編集長のK女史がなぜか「よかったわね」とにこにこしながら声をかけてくる。

 ぼくはほっとして階段を降り、男を玄関まで送り出す。男の姿が道路の向こう側の舗道に消える。二人を隔てる道路がまるで渡れない川のように見えてくる。

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