5月29日の夢(女王のカーディガン)

 50年前に卒業したW大学にぼくはいる。本部キャンパスの暗い建物から明るい外を見る。青空を背景に細かい粉のようなものがしきりと降り注いでいる。普段は気づかないが、よく見るとこんな塵が空中には漂っているのだ、と思う。傍に詩人で美術評論家のО氏が野球帽をかぶった若い男と共に立っていて、ぼくに「一番大きな講堂へ行こう」と促す。だが、ぼくはその誘いに乗らず、文学部のある戸山町キャンパスに向かう。
 戸山町キャンパスの階段を登り切ったところに、何人かの男女が立っている。その中の一人の女性がカーディガンを投げ、それがぼくに当たる。ぼくはカーディガンを拾い上げ、「これ何?」と尋ねる。最初みんなは「分からない」と言うが、やがて女性は「ああ、それは女王様の……」と答える。後ろを振り向くと、そこに床屋の椅子のようなものが3つ並んでいるので、ぼくは真ん中の椅子にカーディガンを置く。若い男が「宇宙飛行士はどこにいるの?」とぼくに尋ねる。もしかしたらO氏の連れていた若い男が宇宙飛行士なのだろうか。ぼくはみんなに「一番大きな講堂にいるよ」と答える。

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