6月20日の夢(またもや鞄がない)

 取材に出かける都合から、Y社銀座店の一室に、泊めてもらう。ベッドでふと目覚めると、室内で話し声がする。Y社のエライ人がいつのまにか入室しているらしい。起きて挨拶しようかと思うが、そのままタヌキ寝入りを続ける。だが、どうせすぐ出ていくだろうと思ったのに、彼らは出て行かない。寝返りを打ちながら、薄目を開けて時計を見る。まだ6時半だ。ぼくは薄目を開けつつ、眠っているような演技を続ける。室内にいる男たちは「こいつは目を開けていても寝ているんだよな」と言う。
 しかし、ついに10時半近くになってしまった。もう起きないと取材に間に合わない。素知らぬふりをして起き上がって、驚いた。室内には若い男女が10名ほどもいる。どこかの取材クルーだろうか。男の一人がぼくに「ぼくたち巧妙だったんですよ。スイッチを切って、音が出ないようにして部屋に入りましたからね」と言う。とにかく出かけようとして、自分の黒いリュックサックを探す。だが、床に置かれているバッグはすべて彼らの持ち物で、ぼくのリュックは見当たらない。
 彼らと街に出る。ぼくは急に一人だけ駆け出す。高速道路をリラックスしてジョギングする。とても身が軽い。昔はよくこうして走ったものだが、今こんなふうに走って心臓は大丈夫なのだろうか。あっという間に成城の丘から狛江へ下るビール坂にやってきた。しばらく見ないうちに開発が進み、坂には野外のしゃれたカフェやビアガーデンができている。カフェの椅子に詩人のK氏が座り、別の客にM前編集長から来た請求書のコピーを笑いながら見せている。「必要な数字以外は塗りつぶしてあるんですよ。でもこの文字は色という字に見えますね」と言っている。どうやらぼくの名前が塗りつぶされているらしい。あのM氏がぼくに隠れて、ぼくの生徒を自分の教室に引き抜いているのだろうか。ぼくは裏切られた気がして、大きなショックを受ける。

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