8月22日の夢(取材で大騒動)

 関西に近いローカルな町にはるばるクルーを率いて、取材に行く。その地を代表する電気店の取材である。
 まず訪ねたのは本社。ここは新幹線を降りてすぐの便利な市街地にある。若社長に挨拶することにしたのだが、彼は忙しくてなかなか会ってくれない。やっと会える順番が来たとき、クルーはどこかへ散らばってしまっていて、ぼくだけが彼の執務室に入る。しかし、ぼくは既に退職してしまっているから、会社の名刺がない。「今名刺を切らしていて」とウソをつこうかと思うが、「昨年フリーになったので、個人の名刺ですが」と本当のことを言って、名刺交換をする。
 さあ。今度はいよいよ店舗の取材だ。それからまた長時間待たされたあげく、ようやくお店への訪問許可が出た。
 みんな電車に乗り込むが、ホームの柱と電車のドアの間が僅かしかすきまがない。クルーのみんなはなんとか乗車したが、ぼくは体がつかえて乗りこめないうち電車は発車してしまった。しかたなく、ぼくは徒歩で行くことにし、雪の積もった山の上を疾走する。すぐ近くだと思ったのに、随分遠い。はるか遠くの下方に火山湖の水面が見える。
 ようやく商店街に着き、地下のアーケードに入る。電気屋だからすぐ見つかるはずと思うのに、電気店は見当たらない。地上に出て、駅のホームのような場所を渡ろうとすると、突如地面の一部がせり上がりの舞台のように空中に持ちあがる。慌てて飛び退くと、今度はそちら側がぐーっと沈み込む。エレベーターになっているらしい。ぼくはその間を係員の制止も聞かずに走り抜ける。今度は橋があった。そこを一人で渡ろうとすると、周りに人々が並んでいる。これから橋の開通式で、まだ渡ってはいけないのだ。また制止されるが「急いでいるので」と走り抜ける。しかし、まだペンキ塗りたてで、ペンキだらけになってしまう。やっと取材現場に到着。
 クルーのメンバーである女性ライターが困っている。取材契約書に印鑑を押さなければいけないと、相手のネクタイ姿の男に言われたのだが、三文判しか持ち合わせがないと言う。ぼくだって、印鑑なんて持参していない。
 そんなこんなで大騒動のあと、帰る準備のため、デスクの上のガラクタを集めて捨てようとしていると、カメラマンたちが「お疲れさま」と帰ってしまおうとする。あれ、ぼくを置いていくの? でも、ここからなら車で帰るより、新幹線で帰る方が早そうだ。

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