3月3日の夢(ベンガル虎)

 下宿屋のようなところにいる。トイレに入ろうとすると、みんな無言でぼくを非難の目つきで見る。ドアの前に荷物が置いてある。既に予約されているということか。周り中敵ばかりだ。
 帰るため、駅からバスに乗る。ところがバスはどんどん東京から離れていく。乗り間違えたらしい。おまけに同乗していた若夫婦の連れた子供にぼくはうっかり暴力をふるったらしい。彼らの敵愾心に満ちた視線にさらされる。
 やむなくバスを降りる。そこはインドだ。純白の人工の岩山がある。そこを降りていくと、純白のサリーとターバンをまとったインド兵に制止される。そうだ。ここではベンガル虎と人間が闘う見世物がこれから行われるのだ。虎の低いうなり声も聞こえる。ぼくは慌てて白い山を登っていく。だが、今度はぼくを虎と間違えたインド兵に上から狙撃されそうになり、手を挙げて人間であることを示す。途中で水に落ちてしまい、せっかくの白いスーツもずぶ濡れだ。皆が呆れた目でぼくを見下ろしている。また昨日と同じ目にあったなと思う。
 女性長老詩人のSさんのお話会にやっとたどり着く。本来はここに昨日来るはずだったのだ。昨日と同じメンバーが昨日と全く同じ話を真剣にメモをとりながら聞いている。壁を隔てた隣の部屋にも聴衆が集まっている。なぜ皆繰り返し同じ話を聞きにくるのだろう?

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