7月7日の夢(水力式自動券売機)

 ある私鉄の駅にやってきた。自動券売機は巨大なガラスケースに入った路線地図。コインを入れて、目指す駅のボタンを押すと、切符が買えるらしい。地図の大きさの割に、駅の数は少なく、値段も80円、90円、100円と、かなり手頃だ。ぼくはうっかり買いたいのと違う駅のボタンを押してしまい、周りにいた中学生の少年達のグループに「違う、違う」と注意される。
 今度こそ正しいボタンを押せた。するとその駅名のところから切符がポンッと出てきて、コンベアのようなものに乗って運ばれてくる。いやにゆっくりとした動きで、時間がかかると思ってよく見ると、切符を運んでいるのはベルトではなくて、ちょろちょろとした細い水の流れだ。自然の力で、この機械は動いているのだと分かる。
 ようやく出てきた切符を持って、カメラマンのM氏や同僚の女性社員Oさんらと改札口に向かう。しかし、何か切符の感触が変だ。四つ折りにされた切符を開けてみると、それは大きな切手シートのような感じ。ミシン目によって4枚ほどの切手のような切符がつながっているが、周囲がびりびりと破損していて、これでは自動改札が通れそうにない。改札口にいたニキビ面の少年のような駅員にそれを見せると、彼は威張り腐った調子で「こんな切符をうちの駅で売るわけがない」と、いかにも馬鹿にした様子で言う。ぼくは慌てて、先に行ったOさんを呼び戻し、この切符をまさしくこの駅の自動券売機で買ったことを証言してもらう。周りにいた中学生たちも口々にぼくの言葉の正しさを裏書きしてくれる。(Mカメラマンは知らぬ顔をして、さっさと行ってしまった) それで、駅員もようやく納得してくれた。
 なんとか電車に乗り、目指す駅で降りて、いつも薬を貰っている医院の入口を入ろうとするが、なんとシャッターが降りている。せっかく来たのに、休みだとは! いや、この様子ではどこかへ引っ越したか、廃業したのかもしれない。ひどい。ぼくに知らせずにやめてしまうなんて! ものすごいショックに打ちのめされたとたん、目覚ましが鳴り渡る。

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