詩人

詩人
追い越せない季節を
記憶に攫われるような
覗き穴からみた秘密を
焼き付けるような
あどけない笑顔を前にすると
白紙が埋まらないような
あなたは宇宙の余白のような
虚しさをを秘めたままで
海溝の奥底に眠る
マグマの激しさに触れてみるような
感性の旅を続けなければならない
私たちは行間に宙(そら)と海を飼っていて
その隙間から
透明な魚だけを食べて生きています
だからでしょうか
ペンを持つと
必死で空腹を満たすため
文字を紡いで網をめぐらせ
空を仰いでは
真昼の魚座を
捕らえようとしたがるのは

tukiyomi について

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