10月26日の夢(選句の時間)

 「三月の甘納豆」の句で有名な俳人T氏の出版記念会に妻といっしょに出席する。会場には彼の作品がパネルで沢山飾られている。突然司会者が「会場に飾られた作品の中から三つのフレーズを使って、新しい俳句を皆さんに作っていただきます。そちらの列から順番に発表してください」とアナウンスする。そんなプログラムだったのかとぼくは驚くが、妻はあらかじめ知っていたらしく動じない。ぼくは大慌てで会場の作品を見て回り、自分の心情にふさわしい言葉を拾い出そうとする。そんなぼくを見て司会者は「男性の出席者の中にはご存じなかった方もいるようなので、今からしばらく選句の時間を設けます」と言う。ぼくは救われた気がするものの、パニックになって会場の外の廊下にまで作品を見に行くが、どうしても適当なフレーズが見つからない。だがそんなことをしているうちに、次第に選句のことを忘れ、会場の風景に面白いシャッターチャンスを感じて、撮影に夢中になってしまう。

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