9月25日の夢(パリの旅館)

 フランスへ団体旅行して街路を歩いている。うつむいて考え事をしていて、ふと前を向くと一緒に歩いていたはずの仲間がいない。うんと先へ行ってしまったのか、それとも街路をわたって反対側に行ったのか、うろうろ視線をさまよわせるが見つからない。

 泊っているのは旅館である。自室は二階だが、そこへ行くためには一階の窓枠に立ち、二階の屋根に飛び移らなければならない。かなり難しいなと考え込んでいると、後ろから「もっと楽な道があるよ」と声をかけられる。

 それなら楽な道を行こうと、廊下の向こうの襖を開ける。すると、そこは大奥のトイレで、広い部屋いっぱいにふかふかの羽毛布団が敷かれている。着物の女性たちの姿も何人か見える。だが布団をめくると、たっぷり汚水をたくわえたプールのように大きな便器が現れる。

 「こっちこっち……」と詩人のN氏がぼくを呼んでいるので、彼の指さす部屋を見る。コンパクトなベッドの向こうにさまざまな精密機械が置かれたモダンな部屋だ。素敵だと思うが、そこをぼくに貸してくれるわけではなさそうだ。

 日本に帰ってきて新幹線に乗る。ヤクを常習している指名手配の女性がこの列車に同乗しているらしい。ホームに降りると、背後からバタバタと大勢の足音が近づき、わーわーという喚声も聞こえる。例の女性がいよいよ逮捕されるのだろう。

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