5月18日の夢(映画技師)

 映画館の音響技師を取材に行く。映画の上映がはねるのを待ち、ぞろぞろと帰る客たちの流れに逆らって場内に入る。現れた技師は見覚えのある老紳士だった。「何年か前にあなたを取材したことがあります。覚えていますか?」 老紳士は覚えていた。名刺を渡そうとするが、一時間近くかけてポケットから出しても出しても破れたり汚れたりしていて、きれいな名刺がない。しかたなく紙にペンで自分の名前を書く。これからもう一件取材があると言って、彼は着替えに行く。帰ってきた技師は美しいドレスを着た女性に変身している。「あとどれくらいお時間をいただけますか」と尋ねると、時間は十分あるという。「お自宅にはタンノイという大きなオーディオ装置をお持ちですね」と、ぼくはインタビューを始める。

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