7月28日の夢(襖に写す映画)

 映画を見ている。スクリーンは大広間の間仕切りの襖だ。一つだけ襖が開いているのを、客の一人が閉めに行く。映画ではCGで作られた昔の東京湾の浜辺をできたばかりの新幹線が疾走していく。画面には「イエスタデイ」のメロディーが流れている。あれっ、この時代にこの曲はもうあったんだっけ?と思う。上映が始まるまではスクリーンに向かって、最前列でこちらに背を向けて座っていた外国人たちが一斉にこちらを向いて、観客に話しかけ始める。彼らは生身で上映に参加する、映画の登場人物たちだったのだ。
 上映が終わって、出口にある映画の関連本の売り場に行く。ぼくは脚立に上り、天井近くの棚にある本を物色する。そこから妻のいる地面に飛び降りようとするが、足が届かないので、とても不安を覚える。
 
 ここは下町である。線路を走る列車にフロントスピーカーが積まれ、少し離れた道路を走るトラックにはリアスピーカーが積まれている。その間の町並みには立体音響が流れる仕組みだ。今流れているのは合掌コンクールの中継放送だ。

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