4月11日の夢(つれあいの詩集)

 つれあいのOが新しい詩集を作ることになり、表紙を有名なカメラマンに依頼した。沢山の撮影スタッフを従えて、撮影地に向かって出発したが、前を走っていた車が突然火を噴いて燃えだした。そのため、足止めされて、道路脇の建物の中で休むことにする。
 アメリカの家庭によくあるような、裏側に中庭をそなえた建物。車座になって話しているうち、カメラマンが「運転を交替してくれないか」と、ぼくに声をかける。つれあいは「この人は運転免許を持ってないんですよ」と言う。カメラマンは「免許を持ってないなら、取ってもらいましょう」と言いつのる。ぼくは不快な気分を押し隠して、「いや、自転車にも乗れないぼくが免許を取ったら、あまりに危険過ぎます。何人も人を殺してしまいますよ」と、冗談にして笑い飛ばすが、カメラマンとの間は険悪なムードになる。おまけにお腹も減ってきた。「もっと何食分も買い込んでおくべきだったな」と、カメラマンはスタッフたちに言う。
 夜になって、やっと出発できることになった。ぼくはそのとき中庭に出ていて、中庭の隣家との境の印しに置いてあった、三日月型のコンクリートに電球が沢山ついている不思議なものを手にとって見ていたが、慌ててそれを放り出したので位置が変わってしまったが、まあいいやと思い、そのままにして出発する。なんだか罪の意識にかられる。それにしても、いつもは夜になると眠れないからいやだと言っているのに、つれあいが自分の詩集のことだといやに元気だなと不満に思う。
 そのつれあいが借りた分厚い本をぼくは持たされている。一階から階段を上がって、四階くらいまで来た。この階が地表とちょうど同じ高さなので、やれやれやっと外に出られると思う。しかし、本が重いため、本は歩くたびにビリビリと破れてちぎれ、ついにぼくの手から床に落ちてしまった。そこで、つれあいはようやくその本を外に持ち出すことをあきらめた。
 ところが、ちょうどそこにこの建物の女性職員が通りかかり、ビリビリになった本を見て、「その本はここのものだから、所長に報告しなくては」と言って、階段を降りていく。もう少しで外へ出られるところだったのに、残念だな。それにしても、こんな夜だから、もう所長は帰宅してしまって、いないのじゃないだろうか。

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