4日分の夢

*5月4日、奈良で見た夢
 回廊のような場所で、緑色の服を着たおばさんに、殴る蹴るの暴力をふるう少女がいる。少女はなぜか緑色の服を着た人にいつも暴力をふるうのだ。ぼくが緑色の服を着てその場所に行くと、やはりその少女が現れて、「やっつけてやるぞ」とぼくを脅す。ぼくはおばさんと一緒に少女をつかまえ、「名前は何というのか」
と尋ねる。少女は「水田……」と言う。「下の名前は?」と、さらに訊くが少女は無言。ぼくはさらに「今日はちゃんと証人がいるからね。きみがぼくに暴力をふるったことを、おばさんが証言してくれれば、きみはつかまってしまうんだからね」と言うが、少女は「おまえなんか、やっつけてやる」としか言わない。
*5月5日 奈良で見た夢
 仲間たちと車を運転してきて、降りようとすると、道路で警官が黒い犬と格闘している。ぼくは本当は車から降りたくないので、みんなに「今降りると、あの犬にかみつかれそうだから」と言って、ぐずぐずしている。しかし、警官はなかなか犬を始末できずに、手こずっている。
*5月6日、東京に戻ってからの夢
 東北地方の常連の多い喫茶店。客の中に、列車の中でジャムセッションをしながらやってきたというミュージシャンの男がいる。もう一人遠くからやってきた少女は日記をつけているが、その日記を男に読まれてしまう。男は少女が無意識に身につけている仕草から、それが尾鰭を振るしぐさだと見破る。実は男も少女も人魚だったのだ。ぼくもこの店の常連なのだが、残念ながら人間なのだ。
*5月7日の夢
 女性二人と一緒に取材旅行に出かける。途中、休憩に入ったお店の中で、二人は恋人の膝に乗って甘えている。ぼくは彼女たちの行動に不安を覚え、「こんなふうで取材ができるの?」と言う。
 そこへ津波が襲ってきた。走って高台に避難する。眼下の街が壊滅していく。「助かった」と思うが、再び津波が襲来する。スマトラ島沖地震の津波の映像そっくりに、高台の崖にぶつかって上がる水しぶきが向こうから近づいてくる。二波までは大丈夫だったが、第三波は異常に高い。悲鳴が上がる。ぼくはさらに高台へと必死で石段を駆け上がる。悲鳴はぼくが駆け上がるすぐ足下まで迫ってくる。なんとかぼくは逃げおおせたようだ。自分の無事が信じられない。先導していた女性のうちの一人は無事であることが分かる。だが、ほかのメンバーは殆ど津波にさらわれてしまったようだ。ぼくは悲嘆にくれて、大泣きする。

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