12月26日の夢(取材を忘れていた)

 今日は日曜日である。そろそろランチの時間だと思う。だがその瞬間、今日は高円寺の楽器店にY社の人と一緒に取材に行くんだったと思い出す。本当はもっと前に行く予定だったが、ぼくのスケジュールが詰まっていたため、日曜の取材に延期してもらっていたのだ。しかし取材開始まで三十分しかない。

 そこへ別居している兄(現実にはぼくは一人っ子)から電話がかかってきた。丸顔で眼鏡をかけた兄は明るくてとても面倒見がいい。今日も取材に一緒に行ってやろうと言ってくれる。

 デスクの引き出しを開けて名刺を探す。だがあいにく会社の名刺は持ってきていない。個人の名刺で間に合わせることにする。だが枚数が足りない。足りないときは「切らしています」と言えばいいと腹をくくる。妻と母にランチは食べられないからと断りを入れ、そのまま駅に向かう。

 駅は木造で、階段を三段上ったところに改札鋏を持った駅員が一人立っている。小さな自販機では高円寺行きの切符を買うのが面倒だ。いっそ交通系電子カードを買おうと思うが、自販機にはそれらしい表示が見当たらない。取材時刻が迫るばかりなのに。

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12月24日の夢(江ノ電で行く研究会)

 研究会の会場に早めに着くと、二階の受付には誰もいない。白亜の瀟洒なビルである。デスクを覗き込むと、鍵束が無造作にかけてある。その態勢でいるところに、階下から上ってきたおばさんに「何ですか」と声をかけられてしまう。慌てて身を起こし、「いやいや……」と誤魔化す。おばさんは「階下にお一人来ていらっしゃいますよ」と言う。なんだそうか。ぼくも下へ行ってみることにする。

 一階に降りると、そこはさびしく松林が続く砂浜にぽつんと建つ、さびれたしもた屋だった。ちょうどもう一人メンバーが来て、三人で江ノ電のような海岸を走る電車に乗る。会場は砂浜のこの線路の果てにあるのだ。

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12月20日の夢(78人の強盗団)

 ぼくはマンションで妻と暮らしているが、もう一人家族ではない同室者がいる。詩人のA氏である。家の真ん中にはまっすぐな廊下が伸びていて、その両側にいくつか部屋がある。

 その一番奥右手の部屋の中に来客がいつのまにか入り込んでいる。若い生保レディだ。保険の担当者として訪問に来たと言い、それらしく新しい保険の宣伝をする。「うちには必要ないから」と追い返す。台所に行くと妻が「これから用があって外出する」と言う。振り返るとAがさっきの女性と勝手に話し込んでいる。怒って「出て行かないと不法侵入で110番するぞ」と怒鳴る。すると廊下の反対側の部屋から彼女の母親だという老女が忽然と現れ、二人でぼくを威嚇し始める。やむなくぼくは妻のいる台所に逃げ込み、スマホで110番に電話しようとする。だがぼくの操作ミスなのか、スマホからはYouTubeの陽気な音楽が流れだすだけだ。「110番して!」とぼくは妻に救いを求める。女性二人は勝ち誇ったように玄関に移動し、「外には私たちの家族が全員来ているの。78人よ」と言う。それと同時に強盗団全員がドアからなだれ込んできた。中の一人に見覚えがある。二枚目で知られるトニーだ。トニーはポケットからオレンジ色の注射器を取り出し、細い針でぼくの胸をあっという間に刺してしまう。「えっ、ぼく、刺されちゃったの?!」と驚愕するが、痛くもないし、毒が回るでもない。ただ、強盗団の狼藉ぶりをあっけにとられて眺めるばかりだ。

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12月18日の夢(納戸の中の編集部)

 ぼくの勤務先の会社のデスクはよく国際会議で見るような大きな長円形になっていて、その円の外側にすべての編集部員が内側を向いて座っている。だが最近、ごちゃごちゃして部署が分かりにくく、デスクの周りはゴミでいっぱいになった。

 外出先から戻ってみると、デスクの円がぐんと小さくなり、部署も分かりやすく整頓されている。感心して若い社長に「コンパクトになっていいですね」と声をかける。社長も満足そうだ。だが突然ぼくに近づいてきて、「女性社員の〇〇がハラスメントと言ったの?」と問いかける。ぼくは意味が分からず、「えっ、ハラスメントって、ぼくがですか? それとも〇〇が?」と聞き返す。

 編集部員全員が席について昼食になる。この会社は平等主義だから、全社員が持ち寄ったランチを人数分で割って、平等に分けるのだという。ぼくが持参した好物のパンもみんなに等分に分けられてしまい、自分では少ししか食べられないし、食事の量全体もぼくには物足りない。

 持ち場である「Pの本」編集部のデスクに戻ろうとすると、それはデスクの円の中にはなかった。汚い木製の納戸のような場所にあり、ぼく以外は全員運動部系のいかつい男たちばかりだ。おまけに入り口の戸の建付けが悪くてうまくはまらない。電話機もなければ資料を置く棚もない。席を即刻変えてもらおうと、社長を探してぼくは納戸の外に飛び出す。

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12月17日の夢(横断歩道の白い壺)

 横断歩道の白線の上に白い壺を四つ置いて立ち去る。しばらくして振り返るとそのうちの一つがなくなっている。一番大切な白い壺だ。後ろ姿で遠ざかっていく初老の女性に「待って!」と叫ぶ。戻ってきたのは白いスーツを着た老女だった。何十年も前に紅白の舞台に立ったことのある歌手だ。その壺の中には彼女についての秘密が入っているのだという。

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12月16日の夢(じゃんけんと母親)

 ご飯を食べようとすると、母親が「じゃんけんをして、買ったものから食べ物を選ぼう」と言う。家族みんなで何度もじゃんけんをする。最初にグーというのに似ているが、母親独特の不思議なじゃんけんである。ぼくはギョーザにそっくりの食べ物三個を手にできた。だが食べてみると、それはギョーザではなかった。

 満員バスの中に老人が一人乗ってきた。誰か一人が席を立たねばならないので、乗客全員でじゃんけんをする。負けたのはさっきの母親である。だが彼女は両手に重い荷物を山ほど抱えていて、とても立てそうにない。

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12月7日の夢(無限大記号のエスカレーター)

 地方都市でぼくの講演会が行われることになったので、早めに会場入りする。そこはデパートらしい。芸術的な迷路のようにエスカレーターが広大な空間を縦横無尽に走っている。男子トイレが見えたので、今のうちに用を足そうと思う。だが無限大記号のような形をしたエスカレーターは何度試みてもそのそばを通過するばかりで、トイレに行きつくことがない。  やっと会場らしい場所に着いたが、狭い部屋に粗末な木製の椅子とテーブルが並べられているばかりで、講演とは無関係らしい客もてんでに座っている。こんなところで話ができるのだろうか。

 ある組織の運営委員会が地方都市で開かれるので飛行機で出かけてみると、会場にはまだぼくしかいない。事務局の担当者の荷物だけがカーペットに置かれているので、中を覗いてみる。ぼくについてのデータがあるはずだと思うが見つからない。担当者が戻ってきた。とても毛むくじゃらな男性なのでびっくりする。彼は「他の担当者たちが職務を軽視して誰も来ない」ことを慨嘆する。だが彼が会議のために用意してくれた食事メニューはあまりにも高価すぎる。どっちもどっちだと思う。

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11月20日の夢(ワクチン接種)

ワクチン接種に出かけた。順番を待つ間、ぼくはワクチンの批判をし続ける。そのせいだろうか。いつまで経ってもぼくの名が呼ばれない。白衣の男がやってきて、ぼくに嘲弄的に書類を投げつける。ぼくは片腕がないのでそれに抵抗できない。おまけに障がい者たちを接種のスタッフにしているので、ハラスメントになるから彼らに反抗するのは難しい。ぼくはとうとう一番最後に回されたようだ。

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11月17日の夢(三番目の痒み)

体中が痒い。痒さは三重になっていて、三番目の痒みが一番ひどい。外は灰色の雨が降っている。新しく引っ越した瓦屋根の家は古くて、さびれた駅に隣接している。用を足そうと線路の上に出るが、列車が来たら轢かれてしまうと思い、家に戻る。

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10月26日の夢(選句の時間)

 「三月の甘納豆」の句で有名な俳人T氏の出版記念会に妻といっしょに出席する。会場には彼の作品がパネルで沢山飾られている。突然司会者が「会場に飾られた作品の中から三つのフレーズを使って、新しい俳句を皆さんに作っていただきます。そちらの列から順番に発表してください」とアナウンスする。そんなプログラムだったのかとぼくは驚くが、妻はあらかじめ知っていたらしく動じない。ぼくは大慌てで会場の作品を見て回り、自分の心情にふさわしい言葉を拾い出そうとする。そんなぼくを見て司会者は「男性の出席者の中にはご存じなかった方もいるようなので、今からしばらく選句の時間を設けます」と言う。ぼくは救われた気がするものの、パニックになって会場の外の廊下にまで作品を見に行くが、どうしても適当なフレーズが見つからない。だがそんなことをしているうちに、次第に選句のことを忘れ、会場の風景に面白いシャッターチャンスを感じて、撮影に夢中になってしまう。

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