10月11日の夢(割引乗車券)

 知人たちと四人で駅前広場を歩いている。メンバーは老詩人のH、若い男性詩人のS、さらに名前を知らない眼鏡をかけた中年女性の四人である。広場といってもそこは未舗装の荒野で、遠くに駅舎がぽつんと見えているだけだ。

 眼鏡の女性が「JRに新しい割引制度ができたそうですよ」と言って、リーフレットを皆に見せる。四つ折りにすると、定型封筒にちょうど入る大きさである。「それはお得ですね。じゃあ、私がまず申し込んでみますよ」と、お調子者の老詩人がひとりで駅に向かおうとするので、「じゃあ、ぼくの分も申し込んできてよ」と言う。しかし皆に「そんなの自分で申し込みなさいよ」とぴしゃりと言われてしまう。

 駅から引き返してきた老詩人は「これはダメでした。喘息の人じゃないと申し込めないものなんだそうです」と報告する。ぼくは「あっ、それならぼく大丈夫です。喘息だったことありますから」と言うが、皆は全く取り合おうとしない。

 手渡されたカラー印刷のリーフレットを改めて眺める。裏表紙には誰か画家が描いたものらしい、街を流れる小川の美しい水彩画が使われている。どうゆら野川が渋谷に流れ込むあたりの風景らしい。

 皆と別れ、最後に残ったSも飯田橋あたりの階段をすたすたと登って、姿を消してしまう。ぼくはひとりになってしまった。

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10月9日の夢(大林くん)

 友人と楽しく談笑しながら街の風景を競い合うように撮影して回っている。一緒に歩いているのは、昨年死んだはずの歌人・大林明彦くんだ。カラフルな都会の風景の中に、額縁になった金魚の水槽の画像などが、大きな広告画面のように現れては消えていく。息を呑むほどの美しさだが、おそらくCGによって合成されたものに違いない。

 ふとかたわらのお店の中を覗くと、室内で五十代くらいの美しい女性が講演をしている。大林くんが「あれは詩人のK?」と質問してくる。ぼくは「違う、違う。Kならもっと年をとっているよ」と答える。「じゃあ、あれは誰なの?」と、大林くんは無邪気に質問を重ねる。「知らないよ。どこかの普通のおばさんじゃないの」とぼくは言う。

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9月30日の夢(火事)

 自宅のあるマンションに戻ってくる。自宅の前の陸橋のような場所から見下ろす、眼下のビルが炎を上げて燃えている。急いでカメラを取り出し撮影する。こんな火事を間近で見るのは初めてだ。集まってきた野次馬たちも次々とスマホを向けている。

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9月24日の夢(絵に隠された秘密)

 結婚式のプレゼントに大きな絵を送ることにする。この絵にはある秘密が隠されているのだ。結婚式に向かう途中、ぼくはその絵を持って、式場の隣のケーキ屋に立ち寄る。ここでケーキを買ったから、もう準備は万端だ。ほっとして式場に向かおうとして、ぼくは敵と遭遇する。そいつは「絵を検査する」と称して、絵に黄色のペンキをかけようと待ち構えていたのだ。雨も降ってきた。絵を濡らすわけにはいかない。だがぼくはうまく敵の目をかいくぐり、式場に到着する。突然のぼくの登場にとまどう参列者たちに、「この絵を式の途中で全員に公開してほしい」とお願いする。

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9月11日の夢(宮殿の廃墟に住む)

 大きな家に下宿している。ぼくのほかにもう一人、男子学生が入居しているが、今は外出中。隣室に暮らすのは立派な体格の奥様とその娘、そして孫たちだ。

 ぼく以外の全員が外出したので、ぼくも出かけることにする。改めて外からぼくの暮らす家を眺めると、商店街から少し離れた場所にある、宮殿の廃墟のような建物であることに驚く。守衛の老人が「もう少し商店街に近ければ、レストランなんかも入居してもらえるんだけどね」と話しかけてくる。しかし建物は至る所工事中で、たくさんの作業員が働いており、なかなか自室に戻れない。建物には大型テレビがあちこちに設置されており、先ほどの家族たちはそこでテレビに見入っている。

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8月31日の夢(職務質問)

 詩人たちの会合から車で戻る途中、警察官に呼び止められる。運転手は外国人で、既に何杯か酒を飲んできたらしい。それだけでアウトだ。ぼくは鞄の中身を警察官に見せる。くしゃくしゃにした紙の束と夢日記、来年用の年賀状を宛名順に輪ゴムでとめたものなどだ。

 ぼくの家に上がり込んだ刑事は、まず年賀状をチェックし、怪しいところはなさそうだという。一枚だけ亡くなった女性詩人のMさん宛のものが混じっていたが、警官は見逃したらしい。次に夢日記をぱらぱらとめくる。目がきちんと覚めないうちに書き込んだものなので、判読できないから持って帰るという。「それならコピーをとらせてほしい」と言って、ぼくは外に出る。しかしちょうど道路工事の真っ最中で向こう側へ渡れそうにない。別のルートを探しているうち、刑事の一人と口論になり、「詩人にとって言葉はいのちより大事なものだ」とぼくは力説する。

 「Kさん、お客様よ」という声がする。Kというのはぼくの知り合いの詩人である。彼がベランダに出ていくと、空からドローンが何か書類を運んできたところだった。

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8月27日の(頭だけの犬)

 土手の下にお菓子の缶が転げ落ちて、見えなくなった。覗き込むとそこに親子なのだろうか、大中小の三匹の犬がいる。頭だけで生きている犬もいる。餌をあげたいのだが、どうしたものかとか考える。

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8月21日の夢(CMの撮影)

 CMの撮影があるので、チームで伊豆あたりの山中に来ている。カワセミなどが飛び交う美しい渓流である。カメラマンのぼく以外は全員他社のスタッフかフリーの人だ。準備をしているうちに夕方になった。うっかりしていたが夜には撮影できないから、一度家に帰るか、ホテルに一泊しなければならないが、どうしたものかと迷う。しかしディレクターは意外なことに、このまま夜間に撮影をするというので、みんなびっくりする。

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8月20日の夢(新しい家と職場)

 新しい家へ引っ越した。ここから新しい職場に通うことになる。各階に二つずつ部屋がある。ぼくと妻は二階の二室をそれぞれの居室とすることにする。だが三階にも四階にもさらに素晴らしい部屋があるので、ちょっと早まったかなと思う。

 下を見ると、庭に立派な物置が建っている。なんだか金目のものがありそうだ。後で探索してみようと思う。

 バスに乗って新しい職場に行く。「10時に出社したら遅いのかな」と呟く。会社支給の弁当が用意されているが、「当社は4時から16時までが勤務時間なので、定時に出社しなかった社員にはお弁当の支給はありません」と通告される。

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8月16日の夢(FM局と煙)

 ぼくと妻とは共同住宅に暮らしていて、その建物の真ん中には四角い井戸がある。住民集会に出席する。管理人は30代ぐらいの男性だが参加者は少ない。二つの部屋を借りて、二つの地域FM局が活動しているが、そのどちらももう営業をやめるという。それならその一つの電波を借りて、ぼくが新しいFM局のオーナーになればどうか、というアイデアが浮かぶ。

 突然、一階の部屋から猛烈な煙が噴き出す。ぼくらはその煙をかきわけるようにして命からがら脱出する。一刻も早く妻にFM局のアイデアを伝えたいと二階の自宅に駆け込むが、妻は畳敷きの部屋で机に向かい集中して原稿を書いているので、ぼくは話しかけるのをあきらめる。

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