10月12日の夢(入社面接)

 マンションの一室にある会社に面接に行く。ぼくのほか数人の若者が受験に来ている。若い社長夫婦は「忙しいから一人に一問ずつ質問するね。あとはきみたちで適当にやっておいて」と言い置いて、ばたばたと出て行った。しかたなく受験生の一人であるぼくが残りの面接官を務める。

 すべての面接が終わり、あとにぼく一人だけが残った。ぼく自身の面接はどうすればいいのか。まあ省略すればいいかなと、オフィスでのんびりしていると、いきなり玄関が開いて初老の夫婦が現れた。「どうだね、うまくやっているかね」と声をかけてきた彼らは、さっきの若社長の両親だという。慌ててぼくは立ちあがり、「えー、はい、どうも……」とへどもどする。二人は「まあいいか、カメラの映像を見ればいいよな」と言い合っている。しまった。この一部始終はすべて監視カメラに映されていたのだと気づく。

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10月1日の夢(荒れる学校)

 ぼくは荒れる学校として有名な高校の担任教師である。始業の日からしばらく休んでいたので、今日が今年初めての登校日となる。自分の担任する教室がどこにあるのかさえ分からない状況だ。ともかく職員室へ行く。生徒が生徒なので教師たちも荒くれ者が多いが、一番人のよさそうな男性教師を見つけて、ぼくの教室のありかを尋ねると、彼は一枚の地図を見せてくれた。教頭たちも出てきて、ぼくにその場所を説明してくれる。

 聞かなくても分かっている。それはこの治安の悪い街でも最も恐れられている場所である。頭の中でさっきの地図を反芻しながら街路をたどる。荒廃した商店街を歩いていくと、そこはコミケのような腐女子たちの集まる場所である。そこに女王のように君臨しているのは、もちろん有名女性詩人のKだ。まずはKを探して、その協力を得ることが早道だろう。だがKは見つからず、かわりに映画館の前で、ある映画作家の特集チケットを二割引きで買おうとしている、詩人会の元会長G氏に出会う。

 だが、まさにその瞬間だった。向こうからやってくるのはぼくが探し求めていたあの人だ。逆光に浮かび上がるその人は男性にも女性にも見える。その人を無事に送り届けることがぼくの任務だ。ぼくたちはこの街のヤクザの組長がさしむけたリムジンに体を低くして隠れる。今この瞬間にも敵に体中を蜂の巣にされるかもしれない。だが、ぼくらは無事に目的地にその人を送り届けることができた。迎えの男が近づいてくる。その人も一言も口をきくことなく、後ろを振り返ることもなく建物の中に消えていった。

 さあ、任務が終わったから、家に帰ろう。ぼくの目の前に二つの駅がある。どちらも見たこともない駅だ。一つは地下の駅で、もう一つは高架の駅だ。家に帰れるのはそのどちらの駅だろうか? ぼくは魅入られたように高架駅の方に近づいていく。

 

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9月29日の夢(布仕切りのマンション)

 新しく引っ越したマンションは部屋の仕切りがカーテンのような白い布地だ。カーテンの外は共同の廊下で、そこから住人たちが下を覗いている。眼下は大きな川でそこを石像のようにも見える巨大な象などの野生動物が沢山ゆっくりと動いている。

 自室に戻ると部屋を間違えたらしい中年の男性が我が家に迷い込んでいる。慌てて外へ出ようとする男性に「いいですよ、いいですよ」と鷹揚に声をかける。

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9月25日の夢(パリの旅館)

 フランスへ団体旅行して街路を歩いている。うつむいて考え事をしていて、ふと前を向くと一緒に歩いていたはずの仲間がいない。うんと先へ行ってしまったのか、それとも街路をわたって反対側に行ったのか、うろうろ視線をさまよわせるが見つからない。

 泊っているのは旅館である。自室は二階だが、そこへ行くためには一階の窓枠に立ち、二階の屋根に飛び移らなければならない。かなり難しいなと考え込んでいると、後ろから「もっと楽な道があるよ」と声をかけられる。

 それなら楽な道を行こうと、廊下の向こうの襖を開ける。すると、そこは大奥のトイレで、広い部屋いっぱいにふかふかの羽毛布団が敷かれている。着物の女性たちの姿も何人か見える。だが布団をめくると、たっぷり汚水をたくわえたプールのように大きな便器が現れる。

 「こっちこっち……」と詩人のN氏がぼくを呼んでいるので、彼の指さす部屋を見る。コンパクトなベッドの向こうにさまざまな精密機械が置かれたモダンな部屋だ。素敵だと思うが、そこをぼくに貸してくれるわけではなさそうだ。

 日本に帰ってきて新幹線に乗る。ヤクを常習している指名手配の女性がこの列車に同乗しているらしい。ホームに降りると、背後からバタバタと大勢の足音が近づき、わーわーという喚声も聞こえる。例の女性がいよいよ逮捕されるのだろう。

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9月21日の夢(あなたは臭い)

 ぼくの勤めている会社の取引先の銀行で事件が起きた。ぼくはまだ新入社員だが応援要員として駆け付ける。とりあえず用はないので、他の若手社員とともにロビーでにこやかに立っている。自分では組織の一員として役立っているつもりだったが、銀行の役員がやってきて、ぼくに厳しい顔つきで宣告する。「あなたは裸足でおまけに足が臭い。カバンに入れている弁当が臭うのも問題だ。ここにいてほしくないので、すぐに立ち去りなさい」。確かにぼくは靴下をはいていないし、母親の作ってくれた弁当箱を持っている。「わかりました」と素直にロビーを出る。

 外は雨が降っている。空腹感を覚え、隣のデパートに入る。二階のフロア全体が大きなパン屋である。だがぼくはトレイではなく、小さな皿に自分の食べたいパンを山のように積み上げる。手で押さえないとこぼれてしまいそうだが、なんとか出口までたどりつく。だがそこにレジはなく、隣のフロアで自由に食べてよいらしい。

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9月15日の夢(誕生パーティーとUFO)

 東京の代々木上原あたりの街路を歩いていると、前を歩く中年男性がいきなりぼくの帽子を掴んでくる。脱帽しろということかと思い、帽子を脱ぐ。かたわらの洋館から外国人の夫婦らしきカップルが現れ、周囲に挨拶する。そこへ一台の車がやってくる。降りてきたのはぼくの妻がファンである男性ミュージシャンだ。今日は自分の誕生パーティーだから参加してくれるよう、ぼくらに勧めて去っていく。そこへさっきの洋館から別の若い男性が現れ、「ではここで皆さんにお話を伺います」と言って、順番にマイクを向け始める。ぼくは三番目に並ぶ。ところが彼はぼくを抜かして、四番目にいた妻にインタビューをする。あれっ?と思っていると、「では一色さん」と名前を呼ばれ、マイクを向けられる。生まれてからの簡単な来歴を話すと、彼は「では最後にUFOの話を……」と言う。なぜぼくが昔UFO研究者だったことを知っているのだろうと戸惑うが、「それを話したいと思っていました」と自分の目撃談などを話すと、「ぜひその話をあの洋館でお話しください」と言われる。ぼくは妻を彼に紹介しようと、彼に「あっ、こちらが妻で」と手で指し示そうとする。だが、ぼくの示した先の石のベンチに座っているのは妻ではなく、二人の老婆だった。妻は少し離れた街路の舗石に腰を下ろしていたが、急いでぼくの方に戻ってきて、「さっきのミュージシャンのパーティーに行きたいんだけど、あの調子であちこちで人集めに回っているから、パーティーが始まるのはどうせ深夜過ぎね」と言う。

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9月7日の夢(天才少年出現)

 今日から確定申告が始まる。税務署は陸軍と海軍に分かれていて、陸軍確定申告の出陣式の模様がテレビ中継されている。よし、ぼくは海軍確定申告の出陣式に出よう。

 会場に着いた。壇上では首席らしき男が宣誓をしている。一段下がった床で、何人かの男が直立不動でそれを見守っている。トップに並んでいるのはぼくだ。海軍税務署長から申告書類を恭しく受け取る。ぼくに続いて七名の男が書類を受け取る。七人しかいないのはどうやら予算をケチったためらしい。それでバックで演奏するバンドも一流とはいえないメンバーになったのだろう。

 会社に戻る。同僚たちは誰もぼくがテレビ中継に出たことを知らないらしい。といってわざわざ言うのもはばかられるので、退社するとき自分のデスクの下の床に、泥靴でそのことを落書きする。隣の女性社員はそれに気づいて「あっ」と声に出すが、ぼくのテレビ出演という意味までは伝わらなかったようだ。残念。

 翌日、仙台出張を前に編集会議に出る。いがぐり頭の編集長が製本された原稿を見せてくれる。無名の少年が書いたものだというが、ドラマの脚本の形式でありながら見事な長編詩になっている。一読してその才能に驚愕する。「編集長! この詩集の編集はぜひぼくに担当させてください!」と直訴する。原稿は仙台出張に持っていこう。忙しくなるけど、頑張ろう。

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8月27日の夢(テレビ塔の下)

 名古屋のテレビ塔の下にある廃ビルに近い雑居ビルにぼくは一つの部屋を持っている。遠くから見ると、それはテレビ塔の展望台と同じ高さで夜空に輝いているが、もちろんそんなに高いはずはない。そこへアーティストを志望する地方からの出身者数名が逗留している。今日は彼らがいよいよ故郷に帰る日だ。殆ど彼らに接触しなかったが、今日ぐらいは行って、一緒に記念写真を撮ろうとビルの階段を登っていく。しかしビルに出入りする人たちは多いにもかかわらず、ついに彼らに会うことはできなかった。

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8月19日の夢(小劇場)

 自宅を小劇場にして詩劇を上演することになった。内容はN氏に任せきりにしたので、開演するまで分からない。一度稽古場に立ち寄ったことがあったが、あいにくちょうどリハが終わったところだった。

 上演は自宅の奥の部屋を舞台と観客席、手前の部屋をロビーにして行われる。無関係の部屋の扉をトイレと勘違いして開けようとする観客がいたので、トイレの前の壁に「WC」と書いた紙を貼ろうとするが、ハサミが上手に使えないし、他の準備をしている初老のスタッフと交錯して、なかなか作業がはかどらない。

 開演時間になった。意外にも行列ができるほどの観客が集まった。定時になっても入場が終わらないので、10分押しにしようとスタッフに伝えようとする。だが振り向くと入場は終わっていたので、両手で頭の上に大きな〇を作ってみせる。

 幕を上げてみると、天井桟敷ふうの不条理劇だった。舞台は奈落を使った地下に部屋が二つ、地上に二つの計4室に壁で仕切られていて、まるで心臓のようだ。途中に壁があるので、下手側の客は上手側の舞台がうまく覗き込めない。上手側の客も下手の舞台が見えない。訳者の一人が観客に向かい、「奈落も使っていいということでしたので、活用することにしました」と釈明する。ぼくはトイレに行きたいが、あまりに芝居が面白いので舞台に釘付けになっている。

 第一幕が終わり、第二幕が始まると、観客はだいぶ少なくなって、空席が目立ち始めた。それでも遠慮して廊下で立ち見している観客たちがいるので、「どうぞ中に入ってください」と案内する。役者たちの中には亡くなった詩人も交っているらしく、懐かしいKさんの声も聞こえる。玄関のあたりが騒がしくなったので振り返ると、大阪から知人のJさんたちも今到着したところだ。

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8月18日の夢(高速道路)

 高速道路を父の運転する車で疾走している。これから温泉に泊まりに行くのだが、昨日もそうした。いったん宿に落ち着いてから昼食に出たことを思い出していると、父が思いついたように助手席のぼくに話しかける。「なんならこのまま昼食へ行って、それからホテルにチェックインしようか」。ぼくは「それでもいいよ」と答える。

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