8月27日の夢(テレビ塔の下)

 名古屋のテレビ塔の下にある廃ビルに近い雑居ビルにぼくは一つの部屋を持っている。遠くから見ると、それはテレビ塔の展望台と同じ高さで夜空に輝いているが、もちろんそんなに高いはずはない。そこへアーティストを志望する地方からの出身者数名が逗留している。今日は彼らがいよいよ故郷に帰る日だ。殆ど彼らに接触しなかったが、今日ぐらいは行って、一緒に記念写真を撮ろうとビルの階段を登っていく。しかしビルに出入りする人たちは多いにもかかわらず、ついに彼らに会うことはできなかった。

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8月19日の夢(小劇場)

 自宅を小劇場にして詩劇を上演することになった。内容はN氏に任せきりにしたので、開演するまで分からない。一度稽古場に立ち寄ったことがあったが、あいにくちょうどリハが終わったところだった。

 上演は自宅の奥の部屋を舞台と観客席、手前の部屋をロビーにして行われる。無関係の部屋の扉をトイレと勘違いして開けようとする観客がいたので、トイレの前の壁に「WC」と書いた紙を貼ろうとするが、ハサミが上手に使えないし、他の準備をしている初老のスタッフと交錯して、なかなか作業がはかどらない。

 開演時間になった。意外にも行列ができるほどの観客が集まった。定時になっても入場が終わらないので、10分押しにしようとスタッフに伝えようとする。だが振り向くと入場は終わっていたので、両手で頭の上に大きな〇を作ってみせる。

 幕を上げてみると、天井桟敷ふうの不条理劇だった。舞台は奈落を使った地下に部屋が二つ、地上に二つの計4室に壁で仕切られていて、まるで心臓のようだ。途中に壁があるので、下手側の客は上手側の舞台がうまく覗き込めない。上手側の客も下手の舞台が見えない。訳者の一人が観客に向かい、「奈落も使っていいということでしたので、活用することにしました」と釈明する。ぼくはトイレに行きたいが、あまりに芝居が面白いので舞台に釘付けになっている。

 第一幕が終わり、第二幕が始まると、観客はだいぶ少なくなって、空席が目立ち始めた。それでも遠慮して廊下で立ち見している観客たちがいるので、「どうぞ中に入ってください」と案内する。役者たちの中には亡くなった詩人も交っているらしく、懐かしいKさんの声も聞こえる。玄関のあたりが騒がしくなったので振り返ると、大阪から知人のJさんたちも今到着したところだ。

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8月18日の夢(高速道路)

 高速道路を父の運転する車で疾走している。これから温泉に泊まりに行くのだが、昨日もそうした。いったん宿に落ち着いてから昼食に出たことを思い出していると、父が思いついたように助手席のぼくに話しかける。「なんならこのまま昼食へ行って、それからホテルにチェックインしようか」。ぼくは「それでもいいよ」と答える。

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8月17日の夢(空室)

 友人の住むマンションの部屋を訪ねるが不在なので、勝手に中に入り、ひとりで歌っていると、隣室から壁をどんどんと叩かれる。窓へ行って覗くと、目と鼻の先に隣室の窓がある。これではうるさいはずだと納得する。そこではホームパーティーが開かれていて、「君も来ないか」と誘われるので参加する。この家の主人も帰ってこないのだという。宴が終わり、皆が帰ってしまうと、またぼくはぽつんと一人になる。しかたなく元の友人の空っぽの部屋に戻る。

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8月12日の夢(火と水とストーブと)

 部屋の中に父親と母親と小さな息子の三人が並んで座っている。しかしそのいずれもぼく自身ではない。夏なのに室内には箱型のストーブが置いてある。その内部に突然、大きな炎が上がる。続いて、ストーブは大量の水を噴き出し始める。家族は悲鳴を上げる。父親は敷かれていた白い布団を慌ててまくり上げるが、既にすっかり水を含んでびしょびしょだ。

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8月9日の夢(音大取材)

 音大から入試の取材依頼が来た。はっきりとした約束をしないまま、入試当日にふらりと音大を訪れる。日曜日だったので、ジーンズを膝までまくりあげたままだ。玄関で慌てて身だしなみを整える。

 入試会場は温泉ホテルのような場所である。ロビーで受験を終えた女子高生たちが数名おしゃべりの最中だ。靴を脱いで上がる座敷の前で強面の男がガードしている。その男を避けて座敷の方に身を乗り出し、「たつみ先生はいますか」と声をかける。なんだか難しい漢字だったので、「たつみ」と読むのかどうか自信がなかったが、正解だったらしい。横にいた女性事務員が「はい」と笑顔で応じてくれる。

 たつみ教授は椅子に座って冷然とした顔をしており、なんだか取りつくしまがない。取材できることになったが、筆記具を持ってきていなかったので、床に転がっていた鉛筆と紙きれをさりげなく拾う。「ピアノ科の受験生は10名もいないのがこのところ毎年なんですよ」と教授が言うので驚く。「では受験者不足を解決するために、ピアノ入試のレベルを下げるか、授業料を値上げするか、どちらかですよね」とぼくは質問する。すると教授は沈黙してしまい、長考に入る。ぼくらが向かい合うテーブルは川の中にあり、メモ用紙は水面下だ。鉛筆を走らせても文字が滲んでうまく書けない。紙の上にメダカのような小さな魚が沢山集まり、ますます書きにくい。メモ用紙がいっぱいになったので、慌てて床に落ちている紙を探すが、どれも裏にも文字が書かれていて、メモ用紙には使えそうにない。

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8月7日の夢(映画出演)

 突然、映画に出ないかと誘われる。もちろんチョイ役だ。撮影現場に行くと、スタッフとキャストが揃ってテーブルを囲んでいるが、台本ももらえない。一枚の大判の紙に殴り書きされた科白を出演者全員が回し読みしていくのだ。自分の番が来たので、カメラの前で両手をアドリブで振り回しながら科白を言うと、監督をはじめ一同が「うまいうまい」と褒めてくる。素直に嬉しい。またオファーが来るかもしれないと胸をときめかせながら帰る。

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7月25日の夢(ジョンについての小説)

 大きなオフィスで働いているぼくは突然、小説を書き始める。広いオフィスを見渡しながら友人たちに次々と電話し、「小説家になる」宣言をする。ボールペンでぼくが執筆しているのはジョン・レノンについての小説だ。

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7月19日の夢(江戸っ子弁をしゃべる猫)

 ぼくは台所で次から次へと料理を作っている。プロメテウスのように無限に料理をする刑罰を受けているらしい。だがそんなぼくの評判を聞きつけて、テレビ番組にゲストとして出演するオファーが来た。

 家は丘の上にあったので、そこから長い石段を降りていく。道には巨大な白猫がいて、ぼくの足にまとわりついてくる。重量級の猫なので、ぼくの足にぶつかる度にすごい衝撃を感じる。しかも江戸っ子弁でたえず独り言を言う猫だ。「そんなら○○すりゃあいいじゃねえか……」などとぼやき続けている。

 斜面の途中に左へ行く小道があり、そこを同じ番組に出演するタレントたちがぞろぞろ歩いていくが、ぼく一人だけは坂を一番下まで降りきり、そこにある少し広い道を同じ方向に歩く。「重い猫でしたね」と上の道を歩く男性タレントの一人がぼくに声をかけてくる。「日本語をしゃべるんですよね」と答えると、「それも江戸っ子弁でね」と男の後ろを歩く別のタレントが応じる。みんなが気軽に話しかけてくれるので、ぼくはとても嬉しい。

 放送局への登りの道に着き、みんなぞろぞろと狭い坂を上がっていく。局の玄関で靴を脱がなければならないが、当然のようにぼくが一番最後になる。みんな青いゴム製のレインシューズを履いてきたので、このままでは見分けがつかないだろうと不安だ。だが脱いでみると、ぼくの靴だけが靴の上部に折り返しのついた長靴で、みんなよりダントツに背が高い。これなら間違えられることはないと安心する。

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7月18日の夢(新幹線会議室)

 オフィスで業務予定表を見ていると、某社からのピアノの宣伝企画案の提出をもう随分放置したままだったことに気づく。さらさらと思いつくことを企画書にまとめ、手近にある他社の似たような販促物を見本として鞄に放り込むと、ぼくは新幹線に乗った。

 浜松に着き、ピアノ営業の担当者と会議室で向き合う。いつもなら簡単に打ち合わせが終わるはずなのに、担当者は難色を示してくる。それどころか同社の全部局の責任者がぐるりとぼくを取り囲み、自分たちの依頼に対して企画案が全く向き合っていないと非難し始める。どうやら担当者からの最初のオファーに問題があり、ぼくはいつもの一部局だけの企画だと思い込んでいたのだが、実は全社的な一大キャンペーンのプレゼンを求められていたらしい。会議はどんどん紛糾し、ぼくは窮地に立たされる。会議室はそのまま新幹線の車両になり、東京への線路を驀進する。ついに東京駅のホームに滑り込んだ。昼時になっても会議は延々と続き、クライアントたちはてんでに注文した料理を食べ始める。ぼく一人が車両の二階席にいて、指をくわえたまま彼らの飲食を眺めている。

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