声でなく君の姿が欲しい日に空の十五夜指で突き刺す
ギター弾くピアノも奏でるその指が昨日を歌う夜の顔して
約束の指切りよりも正直な顔をしてると指差すあなた
その指が何本あるか数えてない暗い夜道を彷徨う身体
昨日だよ昨日だよって呼びかける明日の指切りできない二人
沈んだり浮上したり泳いだり地上と海をつなぐ中指
死ぬ時が来ても絡めた赤い糸蝶々結びくらいの束縛
夜の雲月を隠してどこまでも暴かないまま追いかけてきて
ひと声もあげず耐えて忍こと今生の恋すら戦国時代
対岸で君は返してくれという指が奪った記憶の手触り

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