誰かが 私の家の
屋根裏部屋に上がって オナニーしている
階下には 小さな人形が
黒い大きな座椅子に 足を開げて 置いてある
その人が 上で 思春期をふるわせた声を漏らす度
椅子からはみ出した 人形の指先に
麻痺した ヒビが入っていく
足を開かされた人形の 窪みから
夢のような目が 覗きこんでいる
その目が 昼と夜の間を
瞬きしながら 行き来する
外は 雨
小さな隙間を作ってしまった二階の ブラインドから
人形の顔に 粒子のような水が落ちる度
窪みの目は 見開いたまま 独りでに 充血していく
(そろそろ、を、、して、、かないと、)
誰かがしきりに 喋っているが
その正体を 私は知らない

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