白い蜃気楼

白い蜃気楼
束ねていた栗色の髪をほどくように
その髪をかきあげるように
耳もとで囁いた告白は
僕の詩を書き始めた頃の
青臭いペンネーム
ほどかれた髪の上を
滑り出して
僕の詩はたなびいた
堅苦しい
もう一人の僕の名と一緒に
柔らかな風に吹かれ
君の笑顔に舞う
戸惑う僕の思いの丈
 (好きなんだ
   詩を描くことが)
そう告白したのは
新緑が芽吹いた
大切なひとへと向かう
それは いつかの
白い蜃気楼(ミラージュ)

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