無題

無題
無題
私は焼けた砂場ではなく
夜中のブランコです
私は冷えたポカリスエットではなく
なかなか落ちない点滴です
父は冬の岩場ではなく
昔 井戸に置いてあった洗濯板です
母は向日葵ではなく
夕暮れに沈む太陽です
町の人は言います
「ああは、なりたくないもんだね…」
町の人は歩きます
私たち家族には
全然追いつけないスピードで
笑いながら
喋りながら
だから
カーテンを閉めます
耳栓をして目隠しして
家族仲良く暮らせるように
墓を掘りました
その墓碑名に刻んだのは
関係者以外立ち入り禁止

tukiyomi について

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