夢の死骸

夢の死骸
あなが
遠巻きに
私を見るようになったのは
優しさなのでしょう
勘違いの恋愛感情ほど
ややこしいものはない
あなたは
きっと移りゆく四季の中に
顕幽を旅する人
亡き人の面影を
夕陽に沈められない人
あなたの中で
幽妙可憐な女性の
手招きが映る
晩酌の春の宵
うっすらと 薫る
今宵の梅の花に
雨が刺さるのを
お赦しください
私は
蕾のまま
日陰で降り続く
春雨にうたれつづけて逝きたい
褪せた椿の花のよう首ごと
ぼとり、と土に
鎮まりましょう
褪せた夢をみてました
愚かな夢をみてました
けれど 私は…
夢に抱かれて
幸せでした

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