新たな一字

新たな一字
今年がゆっくりと
重い荷物を背負って
通り過ぎてゆく
裾の長いコートを
年の瀬に引っ張るような
未練の風に吹かれたが
あなた方が繋いでくれた
手のひらを握りしめていたら
コートに隠れていた
新年が
私のセーターの胸元から
今年の抱負を連れてきた
あぁ
なんと書こう
この偉大なる
手のひらのぬくもりを
この
未来につながる
夜明け前の
一文字を

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