虹を あなたにあげたいんだ
たくさんの色をして
空に続く橋のようで
きっとふたりで渡れば
夢にたどり着くはず
きみの病気も
あの架け橋の向こう側には
きっとないはず
だから
走って走って
雨がやむまえにって
太陽が沈むまえにって
祈りながら走ったのに
ぼくの手には
転んだ時の泥しか
つかんでいなかった
それなのに
きみは
私が見たかったのは
虹じゃなくて
泥だらけのあなたなの
なんて笑うものだから
ぼくは泣けてしまって
泣けてしまって
西日がさす
病室で
ぼくの顔に
うっすらと
虹ができてしまうんだ

tukiyomi について

著作権は為平澪に帰属しています。 無断転写等、お断ります。
カテゴリー: 02_詩 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。