小詩    四編

小詩  四編
【一人称】
粉雪 
ひとひら
私だけが
掴んだばかり
手のひらの中
温度差
一人称
【石鹸】
年末年始
大掃除で大変ですなぁ
バブルがハジケて以来
日本もクリーンに
擦らなければ
風呂が
いつも赤出汁ですぜ
旦那様
【排水管】
私の昨日の愚痴が漏れて
飛沫になって
一時はどうなることかと
思ったけれど
三寒四温の寝正月
ちょとくらいの
憂さ晴らし
流してみても
壊れないよね
【翼】
あなたの耳に
染み込ませるように
この色褪せた詩集を
朗読すると
あなたの鼓動が
高揚して
熱気に溢れ
瞳 潤い
乾いた本は
オアシスを巡り
泉から
羽ばたき飛ぶ
言葉の翼

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