海月

海月
海の導き 月は十六夜
潮の満ち引き 恋は駆け引き
高波に打ち寄せあげられた
異国の小瓶
涙で滲んだインクの手紙
(どうかこの種を沈めて咲かせてください)
宛先のない女の足跡は
打ち寄せる浜辺で
時計の砂が落ちるように
さらさら
さらさら
さらさら
と 巻き戻せない時を抱いて
透けた思い出を
フワフワ
フワフワ
浮かべて漂う一匹の
青い闇の白い灯台
花は咲かない
砂漠で花は
疲れた街では
渇いた身体では
まして透明な過去の中では

tukiyomi について

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