蜜指

蜜指
蜜指
決して美しいとはいえない私の短い爪に
貴女そっと火を灯した
じっと していて…
それは魅了の呪文
ローズパラダイスに染め上げらた私の指は
淡い水色の携帯の上でも
貴女の独占欲が自己主張する
マニキュアに温度が
指先に恋が
呪縛に艶が
あるなんて
思いもしなかった
なんて鮮やかな執着
この指で今夜も貴女に触れるのに
貴女は全てを知っていて
私を禁断の園へ誘う
禁じられた遊戯に弾かれて
貴女はどんなふうに踊るのだろう
指先には枷
染めあげたのは
鮮やかな夢の夜
薔薇色の爪は温度を保ち
私に花園の鍵を与えた
今夜も…花が…咲いてしまう…
あいくるしい花が
夜露に濡れて
焔のような雫を指が
絡めるだろうか

tukiyomi について

著作権は為平澪に帰属しています。 無断転写等、お断ります。
カテゴリー: 03_写真+詩 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。