チロルチョコ

チロルチョコ
チロルチョコ

淋しいと言う前に
あ〜ん あ〜ん
大きくあけた口に
チロルチョコ
小さな甘さはね
淋しくならない
魔法の口封じ
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紅い紐

紅い紐

「お前が必要なんだ。」
「でも、俺は妻を愛しているし、故郷を離れたくはない。」
「会社に縛られて、シャツがシワシワになって、
 ネクタイが曲がってても、笑って営業に…」
そこまで言って彼は急に
携帯の声を押し殺した
一人寝の女の部屋で
夜が震えた
私は彼を縛る総てのものから
解放して
色を着けてあげたかった
 (お前が必要なんだ)
守れない告白
色褪せないうちに
私は薬指に
ガーネットの指輪をつけて
空中で手首を
ひらり ひらり
と揺らす
まるで心中する事を
手招きするように

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月       


月

          (乱太郎)
淋しげに唄う
恋などとっくに忘れて
靡く淡い音色
月の後ろ髪が解かれるとき
湖面の中央辺りに
漂う
在りし日の君の輪郭

          (月夜見)
在りし日の恋ひとつ
水面に写るは
偽物の月の形
拾えど
掬えど
盗めない月
私の手は濡れていました
あの人との歳月を
泣くように

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木枯らしに泣く

木枯らしに泣く
木枯らしに泣く
風に絡まる
褪せた新聞紙
転がるメイプルの葉
靴底から命の寝息
底知れぬ湖の
深い蒼
木枯らしに泣く
紅葉を宿した瞳から
七色の哀しみ
一粒

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あなたに

あなたに
あなたに
あなたに
あげれるものがあるとしたら
散りゆく薔薇
風の流れをゆるめて
まだ紅い華のまま
頑な信念のように
あなたの氷山の中で
色も形もそのままに
凍えるように
閉じ込めて
胸の芯で
咲かせてください
もう
あげられるものなど
とうに無くした庭に
一輪の薔薇が
ぼとりと土に鎮む前に
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例えばそれは
赤ちゃんの握り拳から
例えばそれは
浅い眠りから
例えばそれは
活火山のマグマから
混沌と極彩の向こう側
ゆらゆらと
浸透してゆく
言葉にならない文字

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バースデー

バースデー
あなたの口に
シフォンの肌を
仄かなは炎は
あなたを温め
歳月が丸みを帯びて
一年の情熱に
火を灯す
この日
初めて泣いた
あなた
金木犀の薫風に寄せて
黄金の祝福と
月桂樹の冠を
今日のあなたに
届けたくて…
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たそがれる

たそがれる
たそがれる
経ち ゆかば
秋  きたり
経ち ゆかば
飽き きたり

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月齢 1.5

月齢1.5
海が荒れてくる
深い底から彷彿と
なにか躰を流れていくような
小さな月を身ごもるような
潮の渦 月の引力に支配された
躰を持つ「女」
苦い夜 甘い夢 掠れた声
私 月齢 1.5

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曼珠沙華

曼珠沙華

曼珠沙華 花冠は燃え尽きて 褪せた涙を夕べに浮かぶ
紅(くれない)の冠(かん)燃え尽きぬ我が永き真夏の恋のぬけがらとして

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