煙草と栞 1

煙草と栞  1
欲しい人煙草好きの詩人さん愛読書にはいつも栞が
教会の鐘が響くの草原で私の隣に空白の人
煙草吸う指に光るプラチナが私の胸を紅く切り裂く
お揃いのペアリングなど持ってない近くて遠い憧れの人
運命が絡まっていた 赤い糸宇宙の誰かに切断された
愛してる昨日の言葉は今日の嘘 君のすべてが今日でおしまい
街角で見かけた君の隣には背丈も似合う小さな女性
そんな顔して笑うんだ微笑む君はよそ行きの顔
好きなんだ 過ぎた季節にメイプルが色付き始める秋は嫌いよ
あなたの名千回呼んでも振り向かない千一回めがもう呼べなくて
君の指いつも煙草を挟んでる私のこともどこかに挟んで

 

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