蝶へ

蝶へ
悲壮とは 悲愴か蝶よ晩秋を 越えれぬ羽で私のもとへ
駕籠からは 逃れぬ宿世 嘆くなら 僕の名を呼べ 月夜の空に
羽ばたきを封じた犯人 私なら その鳥籠ごと 壊してやるから
褪せた名に 色彩添えた 貴女の名 花の名を持つ それこそが罪
届かない それくらいじゃ届かない 私を呼んだら いつだって…
さよならと 愛してるを綴る指 強く結べよ 私はここだ
どうせなら ごめんなさいより もう一度 聞きたい言葉 【愛しています】
自惚れて いてくださいね 酔うくらい 溺れているのは 昔から僕
罪咎を くぐり抜けてやってこい 包んであげる 壊れぬよう 壊さぬよう
儚さや 悲しみ憂い 脱皮して 貴女は眩しい 言葉を散らす
恋人よ 蝶に美化され 泣くならば 私は貴女を照らす 月でありたい
暗闇に 蜻蛉のように舞う蝶よ 貴女の哀しみは 僕の牢獄

(私信短歌)

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