三日月

三日月
深遠から伸ばされた手筋が
細い糸のように事切れる
声は虚ろな静寂に溶けこんで
白濁した記憶の傷口を指し示す
あなたはいった
ごらん 混じり合う僕達の傷口は
まるで透明な三日月のようだと
なぞる指先 憎く疼く
それは恋心のようだと
私は思う
ちがう枕ではもう
寝たくはないのです
私はうずくまり
傷口を開いては
空を眺めて虚空に三日月を探す

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