花陰の祈り

花陰の祈り
さざ波をたてる音に芯は濡れ記憶は薄く壊れた硝子
指に蜜薫りに秘密しっぽりと造花ではない切り花を抱く
あともなくさきもない今影を追い置いてけぼりの指にくちづけ
暗闇で開花する花に名をつけて優しく呼んだ地上の果ての名
君の目の中に映える僕はまだ輝く檻に閉ざされたまま
髪を撫で髪をなで上げ髪を梳くあなたが神に溶け出す祈り
暗闇が懐かしいと泣く子供子宮の中で暮らした二人

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