「お前は私が背負う十字架だよ」

おまえは私の十字架だよ」
九十九神が居座る前は
枕草紙に出てくる親王が
我が名字
血筋の正統性は平にして
人が為
先祖代々独りが出家
永平寺にて阿闍離に為れる者もありやなしかと
聞き入りし祖母も
また
我が病の願掛け札を枕の下に
弥勒になりし 今
雷雨 吹きすさぶが如くに
父 深き因縁にて
罪悪人中の凡夫に導かれ
誤算の無一物を
まことしやかに信心し
有り金を使い果たし
母を怒鳴り
母は私に言葉にて
業をにやす
我 手首にためらい傷はしり
愛を乞うて
池にて入水
されど
天の雨の囁きか
一陣の風の御手に掬われ
我が身は白き部屋にて
隔離されし日もあれど
己が 病は進行し
また老いし父母も
手遅れの因縁に
命幾ばくもなく
最後に伝えられし
先祖から母へ伝言板
「お前は私たちが背負う十字架」
也やと

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