マニュキアと乙女

マニュキュアと乙女
サイダーのような泡たちたちまちに弾けて痛い恋心たち
マニキュアに染み込んだ赤は気の毒な今日のおばさん笑う口元
なみだって意味がなくても流れるの背中合わせのおまえの海辺
ひらひらとアシンメトリーのスカートを午後の太陽に知られた秘密
痛いのは空っぽだらけ心なの夜に擦りむく傷口が泣く
艶やかな流し目よりも オーバーニー 下ろし立てなら くちびるだけで
セーラー服の胸元をそっと押すと胸がいたい 少しだけ大人がキライ
お揃いのピンキーリング小指だけスペシャルなまま非売品
血を流す意味がなくても血を流す女になったら着れない水着
鏡さん早くウサギを連れてきてアリスになれない私ははだか

tukiyomi について

著作権は為平澪に帰属しています。 無断転写等、お断ります。
カテゴリー: 06_短歌 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。