命のリレー

命のリレー
無意識に動くものなど何もない
この指にすら先祖の意志が刻まれている
生まれた意味など知らないが
何で生んだか泣きたい私
何が人生だとかわからないが
私の頭を撫でる手は
たくさんあった
家族 親友 恋人 先生
それでも出会いをくれたのは
今は還暦を越え心臓病の母と肝炎を患う父
優しい子守唄
しがみついた母の手
いつが最期になるかしらない父親のバグ
忘れないよ
忘れないよ
生んでくれてありがとう
なんて言えない人生だったけど
お父さんとお母さんは忘れないよ
泣いた母親
見守り続けた父の背中
忘れはしない
だってさ
お父さんとお母さんと呼べる人は
私には二人だけ
ねぇ それってとても贅沢な言葉だったんだね
両親が歌っていたのは
いつだって
涙の子守唄
私は聞こえないふりして
悪態ついて逆らったけど
あなたたちの命の形見
無意識に動くものなど何もない
今度泣くときも
二人の間で
オギャアャア〜  オギャアャア〜

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