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2011年06月24日

真夜中の庭 その他

今日は、最近読んだばかりの本の紹介です。

 数日前に朝日新聞の広告で『真夜中の庭』ー物語にひそむ建築ー(みすず書房)というのを発見した。その後偶然横浜ランドマークの本屋さんの棚にこの本をみつけてぱらぱら見ているうちに、どうしてもほしくなって買ってしまった!
 だがこれは収穫だった。さっそくその夜、読みだしたら、面白くて止まらないままに、あっという間に最後まで読み終えてしまった。
 取り上げられているのは「ナルニア国ものがたり」「ムギと王さま」「アッシャー家の崩壊」「木のぼり男爵」「ゲド戦記」「グリーン・ノウ物語」「クマのプーさん」、もちろん「トムは真夜中の庭で」「ムーミン童話全集」も!その他たくさんあるがここでは、略します。

 著者植田実さんは建築関係の仕事がメインの方らしく、一貫してこれらの物語を
建築空間というか、家というスペースとかかわる空間的認識の中で語っておられるので、そのせいもあってか、自分が何回も読んだはずの物語が、いまや異なる角度からの光をあてられた別の物語性をもって、生まれなおしたようで、(またまだ読んでいない本もいくつも取り上げられているので)新しい本の贈り物を再度手にしたわくわく気分をプレゼントされた。ファンタジーや童話、幻想小説などの好きな方には特にお勧めです。

 次に週刊ブックレビューの児玉清さんが遺された二冊の本。集英社文庫の「負けるのは美しく」と新潮文庫の「寝ても覚めても本の虫」。私は「負けるのは美しく」を読んだばかりだが、これはほんとにおもしろく、ページをめくるのももどかしく読み進めたといってもいいくらいだ。読書家の児玉さんの文章力にも初めて触れることができた。同時に彼の役者としてのあり方(それは彼の人となりをそれとなくうかがわせるもの)や、人生のさまざまのつらい経験、九死に一生の思いがけない経験などを、ユーモアあふれる文章で描いていて、彼のファンならばだれもがひきつけられるものと思います。(たとえファンならずとも…。)あと一冊の「寝ても覚めても本の虫」が残っているので、これも楽しみです。

投稿者 ruri : 2011年06月24日 11:41

コメント

『真夜中の庭』は注文しました。金額の関係で井上ひさしの『日本語教室』を追加。楽しみです。児玉清さんが亡くなられてブックレビューはちょっと穴のあいた感じ。彼の存在の大きさを感じます。10年以上前ですが、ブックレビュー収録の部屋の隣で(仕事のため)待機していたことがあります。そのとき児玉さんとツウーショット撮ってもらいましたが、本を持ってるほうがいいと本を取りに行かれたこと覚えています。私は知り合いでもなんでもないのに、やさしかったなあ!

投稿者 ふーみー : 2011年06月24日 22:34

児玉さんとツーショットなんて羨ましーい!いつか見せてくださいと言いたいところ。ブックレビューが土曜日になってから、つい見忘れてしまうので、今日も見ていません。
井上ひさしさんの「日本語教室」はなかなか面白かったです。

投稿者 ruri : 2011年06月25日 11:26

そうですね 土曜日でなおかつ朝がはやい 忘れないように予約してます。村田喜代子の『縦横無尽の文章レッスン』注文しました。ブックレビュー紹介本は久々の購入です。おもしろかったらまわします。

投稿者 eiko : 2011年06月25日 14:10

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