« 七月 | メイン | 前田ちよ子詩集「星とスプーン」より »

2008年07月06日

前田ちよ子さんのこと

 ペッパーランドの創刊同人だった前田ちよ子さんが他界されました。急性骨髄性白血病になられ、5月10日に富山の入院先からお電話をいただいたのですが、それから2ヶ月、私は気の休まることはなく一日一日を過ごしてきました。そしてついに7月3日朝死去されたとご家族から電話を受けたのです。 6月半ばに緩和ケア病棟に移られたという彼女の電話に、急遽お見舞いに伺ったのですが、その折はまだ笑みを浮かべながら、いろいろなお話を一時間くらいすることができました。ご家族に伺うと彼女は病気を淡々と耐え、静かに受け入れて、けなげに最後の時を迎えられたようです。59歳の死は早すぎるといいたいですが。

 このブログにも入れましたが、去年5月に荒川みや子さんと富山を訪ね、12年ぶりに3人で一夜の語らいをもてたことを思うと、その一年後の今の成り行きが信じられません。

 彼女は病床でも童話を書いていました。詩集として「星とスプーン」「昆虫家族」の2冊を出しておられます。2冊ともユニークなすぐれた詩集で、今読み返しても不思議な魅力を感じ、彼女は自分の運命、あるいは人生の成り行きを半ば以上予感していたのではないかと思ったりします。独自の感性と直観で,現実の裏側にもうひとつの宇宙を見ることのできた人かもしれません。

 前田ちよ子さんの詩や童話をこれから少し紹介できたらと思っています。


投稿者 ruri : 2008年07月06日 20:33

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.a-happy.jp/blog/mt-tb.cgi/4021

コメント

前田ちよ子さんの世界も、『ペッパーランド』で拝見させていただいていた思い出があるので、もっと触れたいと思いました。

「静かに受け入れる」......とても難しいですが、でもほんとうに大切な、ひろびろとした深いこころと、強くてやさしい勇気をお持ちだったのですね。

今日は七夕さまですね。曇り空になりましたが、ほんのり
うっすらと、天の川が見えています。

投稿者 ひだまり : 2008年07月07日 20:52

 今日何年ぶり(?)かでブログを覗いて前田ちよ子さんが亡くなられたことを知りました。
 たこぶねで何度かお会いしましたが、落ち着いた話し方をする人で、「大人だなあ」と思っていました。
 簡単レシピを交換することがあって、「お肉と人参」というメニューを紹介したところ、「うちの子が人参ぎらいなの。今度一度やってみるわね」。これが私に声をかけてくれた最初の言葉でした。なんということはないのに、今でも心に残っています。
 この場をお借りして、心からご冥福をお祈りします。

投稿者 Gajamila : 2008年07月16日 15:20

Gajamilaさん、たこぶね会でそういえばよくレシピの交換をしましたね。なつかしく思い出しました。いつごろだったかなあ…と。
前田さんは緩和ケアに入られてからも、付属の台所で子どもさんに焼肉やきんぴらや、ハンバーグのタネをつくってあげたとCメールがありました。

投稿者 ruri : 2008年07月19日 12:35

 ほぼ同じコメントが2つ出てしまったのですが、消去方法がわからずそのままにしていました。
 消去できるようでしたら、15:19の分を消していただければありがたいです。

 猛暑が続いていますが、お身体ご自愛下さい。折を見てメールを出そうかなと思っています。

投稿者 Gajamila : 2008年07月21日 08:30

カードの押し花は、スミレではなくて、
釣船草(つりふねそう)でした。花言葉は「詩的な愛」です。

投稿者 Gajamila : 2008年08月13日 07:35

コメントしてください




保存しますか?