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2005年08月28日

樹の気持ち

この家は丘の上のマンションの8階なので、ベランダも地上よりはるか上にある。ベラン
ダから下を見ると、都会の中ながら、ちょっとした木々の茂みが青々としていて、緑の小さ
な森みたいだ。
ところで、今日、書斎のわきのベランダに置いていた鉢植えの通称「ジャックの豆の樹」に
油蝉が一匹とまってやかましく!鳴きたてているのを発見。蝉の声というのは近くで聞く
と、もう耳がおかしくなるくらいやかましい。耳を聾するとはこのことだと思う。
すぐ下にはあんなに豊かに木が茂っているのに、何もこんなにひょろひょろとした鉢植え
の若木にやってきて、縄張り宣言をしなくても…などと思うのだが、蝉の気持ちは今ひと
つ分からない。
何年か前、10センチばかりだった苗を買ってきておもしろがっていたら、たちまち野放図
に伸びて、いまや天井に梢がとどきかけ、何度も若枝を切ってしまったのに、樹はへこた
れない。それにしても蝉が止まったのは、初体験に違いない!私の耳にはジンジンうる
さいが、樹にとってはこれはどんなふうに聴こえるのだろう?波動が樹液を波立たせる
のかな…などと思う。蝉のとまる樹と、蝉のとまらない樹というのはあるのかしら、など。
いつかバルコニーに置いた鉢植えのかんきつ類の樹でアゲハチョウの卵が孵って、
羽化して飛び立つのを見送ったときも、私はやはりその樹に一目おいたものだった。
なにしろ樹はこういうことを淡々とやってのけて、知らんぷりして立っているのだから。

投稿者 ruri : 2005年08月28日 16:48

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コメント

我が家の居間にも、「ジャックの豆の樹」と同じで、切っても切っても、すぐに天井に届いてしまう、鉢植えの観葉植物があります。

お掃除のときの移動に便利なように、キャスターに乗せていますが、移動するたびに、天井を掃いているようです。そして、蝉ですが、家の南西の角には桜の樹、北東の角には名前が不明な樹があって、午後とか夕暮れに、突然、古い目覚まし時計のように、凄い声で鳴き出すのです。ああ、暑苦しいと思っているうちに、いつの間にか、止んでいます。北国の夏は短くて、もう、夜は虫の音が。そこで、蝉さんたちには、どうぞ、どうぞ、存分にと言いました。

投稿者 青リンゴ : 2005年08月29日 15:45

「ジャックの豆の樹」または「ジャックと豆の樹」というのは有名な?樹なのですね。いつかインターネットで見てみたら、たくさんデータが出てきて、結構人々に愛されている樹なのだと知ってびっくり。まさかこんなに大きく家の中で育つとは思わず、花屋さんから遊び心で買ってしまったので、しかもうまく育ちにくいと知ってみると簡単に放り出すわけにもいかない…という状況です。お宅の樹は何でしょう?

投稿者 青い石 : 2005年08月31日 11:37

幸福の樹と言われている、ドラセナです。

うちのは、幹が細くヒョロっとしてて、とにかく上へ上へとのびてゆくのです。葉のかたちは笹に似ていますが、縦にラインが一本だけ入っています。この葉の緑が、雪の白さだけに囲まれた長い冬の間も、室内を明るくしてくれるので、やはり幸福の樹なんですね。

投稿者 青リンゴ : 2005年08月31日 14:20

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