描く

描く
たくさんの色を秘め
キャンバスは賑わう
桃 卒業式の門出に咲いていた桜並木
黄 ヘルメットと夜行タスキの自転車通学
赤 火遊びのような青春に
  一級品のディオールを唇に纏う
白 リスカをしたら包帯でぐるぐる巻き
紫 神様は紫雲たなびく彼方におわします
緑 横たわった蓮花畑のややらかさ 
青 見上げた空は五月晴れ
七色 恋をすれば虹がかかる
なのに怒鳴り声を聞くたびに
色たちは混乱して
キャンバスは真っ黒
キャンバスの色合いは時を経て
怒鳴り声を聞くたびに
分裂を繰り返し
できあがった絵に
タイトルは
「私」

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閉ざされたアトリエ

「閉ざされたアトリエ」
愛に名を付けてくれと せがむ君 うれしさという名のおさなき子
儚さよ 泪よ時よ愛しさよ 刹那であれ 永遠であれ
雷鳴が去りゆく蚊帳に横たわる 薔薇色の呪縛は 雨夜の月に
君の顔 君の残り香君の味 瞼の奥に閉ざされたアトリエ

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嘘の履歴書

嘘の履歴書
愛猫の 肉球撫でる指先で 嘘をなぞる 紫の履歴書
カンパリにカルパッチョが似合うねと 言った日々を笑え雛罌粟
愛しき子 愛しき母よ 愛娘 女はひとり 三役こなして
お部屋をね 用意するから 側にいて 予約不明の未来予想図
カリカリと 寂しくなれば 口にする 仔猫の憂い 行方知れず
泣きなさい あんな嘘つき 憎みなさい 貴女を犯した 蔦が這う指
顧みて 道に二輪咲く日々よ 君は雛罌粟(こくりこ) 我も雛罌粟(こくりこ)

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さよならと蜂蜜

さよならと蜂蜜
さようなら 思い出包むその腕で 違う男を抱き締める
初めての痛さにも似た快楽を覚えて遊べ 親のない子よ
繰り返し流す涙は行方不明瞳の奥に 騙して笑え
思い出と泣いてる私に犬の咳 命ながらに永らく哭いて
恋人と女友達足して割る未熟な未来はおとぎ話し
綺麗でしょ プレゼントした寒紅を さした貴女が未だに紅く
チョーカーが首輪みたいね笑い合う あの夏の日の仔猫は消えて
口移し から滑り出す チョコレートみたいな初夜の蜜
あなた以外愛せないと嘘をつき生きてしまった六年の罪
さようなら ただそれだけです さようなら お金も愛も持たない私
夜があけて 暁の星が光るころ 貴女の未来が輝くようにと

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月の呪縛

「月の呪縛」
シーツの海で官能の声を張り上げ
貴女はどこへも逝けない薔薇バラの身 
歪んだ口角の行方を知りすぎた女は
可愛いすぎる紅玉を啜りすすられ報いを受ける
相咲き乱れ溶けた胃液のプールで
貴女は独り揚羽の夢に沈む水中花
(赦さないで 赦さないよ)
またこの屋敷においで
背中に刺青 痣の昴は嘘の痕
猫なで声で委ねた膣には
爪先のような 赤い三日月 罪の痕

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「真剣」

「真剣」
人間でありたい
人間を描きたい
フィラニアに侵食されて
抜け落ちる犬の毛並みを
私だと思うな
扉を開けてもらう甘え声の猫になるな
サラブレッドには憧れるが
その苦悩を知ろうと思うな
自由であれ
表現者であれ
自分を値切る甘さを棄てよ!
空を見上げよ
頭上にある星が欲しいなら
意志をぶつけて
手にいれろ!
孤高のあの人
今頃哭きながら
言葉を紡ぐ指に
キスをする為
自分で手にした
星をなんと名付けて
私ごと差し出そうか
悩みは「悩殺」すべし

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「霊感」

「霊感」
増幅する傀儡から
抜け落ちた邪恨の行方が
オゾンを侵して
酸性雨から身体に
染み付いた地球の涙を
私の中の子供が痛がる時
突然変異の方程式が
感情にシンクロし
緋色袴の巫女は
黒衣の聖母になりて
骸を数える
高野の山の法師は
山に引きこもり
戦慄く経典の文字は
更々こぼれおち
殺意の予感が地上を
ふきねけて
私を もう一人
降霊する

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「鍔迫りあい」

「鍔迫りあい」
尖端の突起が
相手の真ん中に
身 一つで飛び込めば
皮 擦れあい
息 漏らしあい
重なる拳を上下に揺らしながら
焦らしあい
汗だくになりながら
鬩ぎあう
どちらが袴の下を
覗き見るかの
真剣勝負

※袴の下は男女問わずノーパンです(真剣な実話)

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「なまつば」

「なまつば」
くれないに
染まった
ふくよかな
君を視ていると
なまつばが湧いて
仕方がない…

☆梅干し☆

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質問

質問
信じるって
どうすることですか
どうすれば
それができますか
強くなることですか
祈ることですか
すがることですか
それは
余裕ですか
不安ですか
あなたですら
教えてくれないのは
誰もそれを知らないからですか?

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