春の花

早春、チューリップの固い蕾みは何とも素敵だけれど、開ききると、あれは何ですか、、はしたなくて、見るもはずかしい状態に! しかたなく摘み取って、部屋に活けてみたが、見た人誰も、チューリップとは気づかなかった。
昔、友人にムスカリの球根をあげたら、お母さまがニンニクと間違えられ、揚げて召し上がったそうだ。 どんな味がしたんだろう? ムスカリの花は、花ニラと紫の濃淡でよく合う。 春が来ると、小さな花束を霊前に供えるのだが、友人のお母さまも既に故人になられた。
男の人は大抵お花見が好き。 お酒を飲むのが好きだといえば、それだけのことなのかもしれない。 でも女たちが「お花見はお弁当よ。」と、なんやかや、かいがいしく張り切ったりするのを横目に、天地ピンクの浮遊感を楽しむように黙って飲んでいる男の人、、、あんな風にはなれないなあ、、と、少しうらやましい。

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