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2009年08月14日

「ここにいるよ」川又郁子

ここにいるよ  川又郁子


わたしはここにいるよ
内なる夢をひめて
誰も知らない
名もないひとは
声にならない声で
ここにいるよ
生きとし生きた軌跡を編んでいる


風やあめの日も
わたしはここにいるよ
そこやここ
界隈に名を知られるひとたちのなか
ほそぼそと生きてきたひとを
ひとり認めることは


悲しいことに違いないが
わたしはここにいるよ
こころの雑草を抜きながら
夏草にはさせまいと
季節のなか
足を向けるのはどこへ

わたしはここにいるよ
誰も知らない
名もないひとは
音にならない音で
ここにいるよ
きみのそばで


この星の美しい
地球にしがみついているよ


                     ※

 ああ、なんて感動的なんでしょう。日本は人口が多いから、誰だってこんなふうに思って生きているのでしょう。ああ、わたしもこころの雑草を抜かなけれゃと思うのです。でも、なかなか土性骨がすわったいい詩だと思うのです。


投稿者 yuris : 2009年08月14日 11:50

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