« ヤマと狐(医師と見舞客) | メイン | 内面への道 »
2012年01月11日
老年
レモン3個使っての早春のアレンジです。
尾世川正明さんが1980年に出された詩集『花をめぐる神話』のなかに「老年」という詩があります。こんな旅にそのうち出れたらいいなと思っています。そのために今すこしずつ準備しています。
老年
尾世川 正明
いつかある日、老いて背骨がきしみ、顔に
は汚いしみが浮き、髪も落ち、白ぞこひに瞳
もくもり、人々が私を腐肉を見るように嫌う
とき、私は日々を託した習慣を逃れ、残され
た自負を捨てて旅に出ることができるだろう。
からだは町に縛られていようとも、こころ
は全く見知らぬ方角へ、黙々として歩み去り、
そのまま戻ってこないだろう。どこか遠い海
辺に立って、石板に無意味な文字を刻みつけ、
森に住み、葉脈の不吉な模様も読むだろう。
投稿者 eiko : 2012年01月11日 13:15