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2007年09月17日

残暑の中の秋

暫く振りに「台峯を歩く会」に出かける。連休の真ん中、30度を越える暑さになると言われる残暑なので、参加者は14名だった。
でも少ないだけまとまりよく、ゆっくりと路傍の草花も観察しながら歩く事が出来た。今夏草がたちまち生い茂る季節なので、道を隠す草や藪を刈り取らねば歩けなくなってしまう小道である。

今回の目玉を先ず紹介すると、田んぼが黄金に染まっていたということ。第1の田んぼは、まだ葉は青いが実った穂を垂れていた。倒れ伏していた部分があるが、それは先日の台風9号のせい。しかしこのくらいならば大丈夫だろうという。山陰の第2の田んぼもさっきのより黄金色は薄いが、ちゃんと実っていた。実って重い稲穂を手に取りながら、無事な刈り取りを祈る。
「今年最後のシオカラだ」、と案内のKさんが言う。トンボが一匹よぎったから・・・。シオカラが見えなくなってから、赤とんぼ(アキアカネ)が姿を見せ始めるのである。その交替の時期が今頃である。

次は、危機に直面していたニホンミツバチのこと。いつものように谷戸に至る危なかしい斜面の中ほどにある木の洞に棲みつづけている彼らが、なぜか洞の周りに群れていた。大きなスズメバチが、巣を襲おうとしていたのである。大きさでいえば半分以下、黄色い部分もほとんどなくミツバチらしくもない地味なニホンミツバチ。黄色い縞々をもつ敵はその時は2匹のようであった。それを集団で追い払おうとしているようである。
実はほんの少し前にTVで、巣を乗っ取るスズメバチの様子を見たばかりだった。大きさで言えば敵わないが、集団であたれば排除できる。それは互いの体温に違いにより、スズメの方は40度になれば活動できなくなるが、ニホンの方はもっと高い温度を持つ。だから集団で取り囲み、その熱で蒸し殺しにするのだそうである。他にも見た人がいて、きっと彼らは無事に巣を守りきるだろうといいながら通り過ぎた。

もう一つはナンバンギセルが見られたこと。煙管の姿をした不思議な花、白と少し紅がかったもの8本ほど、藪の中に咲いていた。

絞り水(すなわち湧き水)が池となったここも暑かった夏に繁殖した藻のせいか濁っていたらしいが(私は参加しなかった)今はきれいになったとのこと。せせらぎの音が気持いい。
木の花はクサギやタラノキ、この季節は道端や土手の小さな草花が、それぞれに花や実をつける頃。幼い頃それで遊んだカヤツリグサ、メヒシバ(これを傘に作ったそうだがわたしは知らなかった)、お相撲さんの名ではないがコニシキソウ、またツルボ、ミズタマソウなど名を教わり、ミズヒキソウのほかキンミズヒキソウ、猫じゃらしといわれるエノコログサにもキンエノコログサがあるといわれればその通り、少し踏み込めば未知の無限が広がってます。

しかし、出口に広がるカナムグラの海には呆然としました。どんな草も決して摘み取らないKさんもこれだけは幼い芽を見つけても排除する天敵であるのは、このようにほかの全ての植物の上に這い回り毛布のように自分の種族だけ広げ蔓延らせる、絞め殺しではない這い殺しの蔓とも言うべきものであるようです。何度か刈り取ろうとはしたそうですが、手にあまったのだと。地引網のように引っ張ってといわれて退治したのだが・・・と。これが蔓延らない前はヨシの原で、ススキに似た白い穂をそよがせていたところでした。
最後に、私はそれほど興味は無いのですが、オオカブトムシが一匹見つかったと喜んでいましたが、もしかしたら誰かが飼っていたのを離したかも知れないと、Kさんはちょっと水を注していました。

投稿者 kinu : 2007年09月17日 15:21

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