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2006年02月06日

「ゾリステン コンサート」

このところ厳しい冷え込みである。
今朝は鳥の水場には厚い氷(1センチ近く)が張った。昨日も同じくらいで、起きた時窓の外を見ると屋根が真っ白。霜にしては厚いと思ったら一昨日の夜、雪が降ったようだった。

きのう、コンサートに行った。日本を代表するソリスト、主要オーケストラのコンサートマスター、首席奏者が集まったゾリステン・メンバー(20人ほど)による23回目の公演。私2回目である。
演奏曲目は、今年はモーツアルト生誕250年、武満徹没後10年ということで二人の作品で。大ホールは1,2階とも空席がまったくないほどの(私は2階席なので3階は分らなかった)満員だった。

曲目は モーツアルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
     モーツアルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番(ソロ:漆原啓子)
          休憩
     武 満 徹:3つの映画音楽
     モーツアルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番「トルコ風」(ソロ:徳永二男)

          アンコール
     モーツアルト: ヴァイオリンとヴィオラのための協奏合奏曲 第2楽章
                                (徳永二男:川崎和憲) 
  
やはりライヴで聴く音楽は、素晴らしいと思う。音が足の裏からも這い登ってくる感じで、身体全体で聞いている思いがする。CDで聴くのもいいけれど、何となくそれは頭の方から降って来るようで、それにひたるような気がする。特にモーツアルトの曲は、光か水かが身体の中にしみこんできて、全身を経巡り、それがまたスーッと出て行ってしまう感じだ。私などそれほど詳しくないので、何番といわれてもとっさに曲を思い浮かべることは出来ないのだけれど、今回のはいずれも有名なよく耳にするもので、その時はああそれかと頷きながら、ときには口の中でメロデーをなぞったりしながら聴くのだけれど、終わったらそれがどういう曲だったか忘れてしまう感じなのである。特にモーツアルトはそういう感じだ。その代わり身体がふわりと軽くなった感じ、浄化されるといったらいいだろうか。

癒しということで、モーツアルトがよく取り上げられているようですが、と徳永さんは最初のスピーチで話された。しかし、演奏家にとっては、モーツアルトの演奏ほどストレスになるものはないのです(笑い)・・。
何しろ天才が作曲したものですから大変難しく、また繊細微妙なので、その演奏には大変緊張するものです・・・と。

武満徹は100本以上の映画音楽を担当したといい、そしてその作曲は、一種の休息であったのかもしれないとのこと。それでこの3つの映画音楽もブルース風、レクイエム風、シャンソン風のスタイルで、とても分りやすい楽しいものであった。
アンコールのメロデイアスな曲にうっとりしながら、私も含めて満員の聴衆はご馳走にあずかった後のような満足そうな雰囲気だった。

投稿者 kinu : 2006年02月06日 10:47

コメント

なんて私の日常と違う世界なんでしょう。。。

想像しただけでうっとりとさせてもらいました。

投稿者 emiko : 2006年02月06日 22:27

読んでくださってありがとう。

私もemikoさんの、私と違った日常を、愉しませていただいてます。

投稿者 kinu : 2006年02月07日 11:19

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