2019年07月21日

最後まで残った絵

画集の発刊が遅れ、予約して下さった方をはじめ、あちこちにご迷惑をかけております。
色校正で最後まで残った絵は次の2点でした。

処理工場の夕暮れA

http://naoinoue628.webcrow.jp/j_sfile/wplant.html

処理工場の夕暮れB

http://naoinoue628.webcrow.jp/j_sfile/wplantB.html

この絵について過去にブログを書きました。
「鳥、鳥たち」
 https://www.a-happy.jp/blog/nao/2012/04/

「美しさ」と「辛さ」が同居している状態を表現したいと思っていました。
まだ福島の事故は起きていない頃の絵でした。
実際に色校正をすると「暗さ」と「明るさ」の割合がとても微妙で、
ちょっとズレても成立しなくなります。 校了したいと思う気持は
私が一番強いはずですが、妥協するわけにはいきません。
校了した後、手作業の「フェデックス綴じ」ですから、出版は8月上旬に
なりそうです。 5月20日出版の予定だったので、本当に申し訳ない。

納得のいくかたちでお届けしたいと思っており、そのために制作チーム、皆で努力しておりますので、もうしばらくのご猶予を。

 

投稿者 nao : 10:02 | コメント (0)

2019年06月13日

画集の概要

画集の概要が決まりました。出版は7月中旬の予定で、順次予約を受付けます。色んな場所で
販売させていただきますので、よかったら、その場でお求め下さい。送料がかかりません。

井上 直 画集
 
B4版 横広コデックス綴じ 72頁
 限定1000部
 テキスト  大谷省吾
 翻訳    南平妙子
写真    フォトセンター・ヴィレッジ、タジマ・スタジオ、エス・アンド・ティフォト
 制作    印象社
 印刷    光村印刷
 発行    art space kimura ASK?
価格 1冊:税抜き ¥7200 (税込み 8% ¥7776 10% ¥7920)
送料:¥700~ 册数、距離によって変わります。

詩集に比べると高いですが、色校正も4回以上やっていますし、「コデックス綴じ」というのは頁をまたがって印刷できる綴じ方で、今では職人さんも少なく、手作業の仕事です。テキストは全て英訳してありますので、外国へのお土産にいかがでしょうか。台所の食卓で「玉じゃくし」のデッサンから始め、しだいに世界を広げてきた、私の36年間の集大成です。どうぞよろしくお願い申し上げます。 

現代日本美術展に出した「最後の朝」を東京国立近代美術館賞に選んで下さった本江邦夫氏が、つい先日亡くなりました。「あの後、このように生きて描いてきました。」との報告も兼ねて、一冊お送りするつもりが無理になりました。美術界では雲の上に居るような方で、私のような者が何故?と自分でも不思議なのですが、同い年のせいでしょうか、深い虚無感にとらわれています。

                         井上 直


投稿者 nao : 17:26 | コメント (0)

2019年05月19日

画集出版、遅れます。

各作品の色校正をやっていますが、出版が少し遅れて6月末から7月初めになりそうです。待っていて下さる方がいらしたらすみません。1992年以降「白衣」に入ってからは資料もあり、何とかなるのですが、鉛筆の頃が問題です。当時はポジとネガ両方のフィルムを残す方がいい、と言われておりましたが、いつの間にかデジタルの時代になりました。フィルムのよさもあるので、両方の兼ね合いを考えながらやっています。それも何とか納得できるところまでやるだけですから、あと少しです。

画集を作る、ということはこれまでの自分に順番に出会っていく作業で、そのどの自分も必死だったなぁ、、と思います。美術大学も出ないで、自分の持っているものだけでやろうとしていた。その私にいつも力を与えてくれたのは詩人たちでした。彼らは「詩人大学」を出ていなかった。その感性と言葉の力、背景となる思想を持って言葉を紡いでいたのです。詩を書くように絵を描いていこう、それが私の出発点だったことを今回の画集制作は思い出させてくれました。

投稿者 nao : 09:44 | コメント (0)

2019年04月04日

「画集発刊のお知らせ」

2017年の個展以来のブログ更新です。「平成」が「令和」に変わるこの春、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。長期間お休みしてしまいました。

2018年1月に画廊との間で画集出版の話が起きました。初個展から36年になりますので、いつか画集を作ってみたいと思っていましたが、それが実現するかもしれないというのは、私にとって一つの事件でした。本がなかなか売れないと言われる時代に、画集はどんな意味を持つのだろう、と自問しながら、作品を選び、頁ごとのレイアウトや全体の構成を考える1年2ヶ月でした。私は大作を中心に制作を続けてきた作家なので、そのスケールをどうやって伝えるか、も課題でした。

今、文字やレイアウトの校正がほぼ終わり、各作品の色校正に入るところです。出版は5月20日前後になりますので、ご購入いただける方は、その頃 art space kimura ASK? または私のアドレスまでご連絡下さい。2020年暮れの個展会場でも入手できます。具体的な価格につきましては画廊に任せてありますので、決まり次第、アップロードさせていただきます。

絵を見た人々の中に眠っている「私と似た感覚」を呼び覚まし、それぞれの人がご自分の生きてきた時間や、忘れ難い瞬間に思いを馳せる—そのきっかけになるような画集であれば嬉しいです。

投稿者 nao : 14:00 | コメント (0)

2017年12月20日

御礼。

個展が終わりました。今回は特に寒い日が続き、私自身も通うのが大変でした。お忙しい中、京橋まで足を運んで下さった方、まことにありがとうございました。

日頃、アトリエでよく見ていたはずの絵が、画廊に並べるとまるで違ったものに見えます。こういうことをやりたかったんだな、私、、それぞれの絵を2週間見続けて気持に区切りをつけたので、これからまた新しい世界に入っていけそうです。

3年後にまたご覧になって下さい。そして長いお付き合いにもかかわらず、ご事情が許さず今回お見えにならなかった方、お元気だろうか、と心配しています。私の絵は「年を経て見えてくる風景」という面があり、ご年配の方が多いのです。以前、杖をつきながらいらして下さった方が「3年後、生きていれば来ます。」とおっしゃったことがあり、今回も「3年後、92かぁ、、、生きてるかなぁ、、、」と笑いながらおっしゃった方のこと、忘れません。そんな方に何らかのエネルギーを届けることができたら本望です。

それでは皆さま、どうぞよいお年を、、、

投稿者 nao : 00:22 | コメント (0)

2017年09月26日

「個展のご案内」

秋も深まってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
3年ぶりで、また個展をさせていただきます。初冬です。
以前60代が最も仕事ができた、とおっしゃるアーティストに会ったことがあります。
自分が何を目指してやってきたのか、少し見えてきて、それでいてまだ体力が少し残っている、60代がそういう時期だとしたら、ベストを尽くさないと後悔するな、そう思って過ごした3年間でした。


井上 直 展 Nao Inoue

12月4日(月)〜16日(土)
11:30〜19:00(最終日17:00まで日曜休廊)

art space kimura ASK?  TEL・FAX 03-5524-0771

〒104-0031 東京都中央区京橋3-6-5木邑ビル2F
(東京メトロ銀座線京橋駅1番出口より徒歩1分。「美々卯」隣り。)
(都営浅草線宝町駅4番出口より徒歩1分)


「答唱」 1818×2590

雪深い森のなかで、あるいは小舟のうえで、白衣たちは何をしているのだろうか。井上直の作品の前に立ち、白衣たちに導かれるように画面のなかに入り込むと、私たちは個人的な記憶をたどりながら、それぞれの物語を紡ぎだすことになるだろう。そして人生について、あるいは自然のなかでの人間の存在のあり方について、思いを巡らせることになるのである。
             大谷省吾(東京国立近代美術館美術課長)

投稿者 nao : 12:39 | コメント (0)

2017年01月07日

新年のご挨拶

 2017年、明けましておめでとうございます。暮れの個展まで一年を切りました。昔、京橋のASK という広い空間で新作ばかりの個展を続けていこうと決心した時、2つの重要なことを忘れていました。「自分の体力が年々衰えていくこと」と「自分を満足させることが年々難しくなっていくこと」です。それらを思い知りながら、今回の個展はこれまでになくハードなものになっています。
 
 年頭に96才になる母に会いにいきました。母は体調悪く、混乱していましたが、その「悲しい叫び」は伝わりました。帰り道、私は絵を描くことが自分の天職である理由を見つけたように思いました。内にあの叫びを込めた静かな絵を、これからも描いていくだろう、、、と。

 暮れが近づいたらご案内させていただきますので、どうかまたご覧になって下さい。

投稿者 nao : 18:02 | コメント (0)