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2014年09月29日

S

寡黙から 泣き止まないS
誰かに救ってもらいたいS
オムライスを掬うスプーンを 手渡すように
救いを手渡して 掬って食べることができる
Sの始まりから終わりへの 繋がり

救われないあなたに 救って欲しい 私がシンクロして
向き合うことの大きさに 比例してゆくS

誰もが知っている街の 誰も来ることのできないお店で
私たちは銀河系の言葉で 星の名をオーダーして食べる

一番美味しかった蠍座のアンタレスの 赤い心臓を
フォークで突き刺して 私たちは食べた
皿の上には赤い毒まみれの オムライス

 すくえないね・・・と、あなたは言った
 うん。すくえない・・・。と、わたしは呟いた

無限大の真似を 横向きでしたかった S
でも 
スプーンは転がってしまって 横たわったまま
迷宮入りに なってしまった

饒舌からはみ出して 戻れないS
繋がらない途切れた距離にいるのに
あの時 スプーンを手渡したかったのは
救われたいSに 私の心臓を すくって、
食べて欲しかったからかもしれない

 銀河鉄道に乗って 二人
 カムパネルラの 後ろ姿を
 見かけた話がとまらない

(話に釣られたS、話に吊るされたS,)

ああ、センチメントに向き合う 二つのエスよ
その話が 有限な街のレジのなかに収まって
誰にでも買われてしまうことは
もう とっくの昔に 知っていたのだけれど


投稿者 tukiyomi : 2014年09月29日 21:10

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