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2014年04月23日

飽和する部屋

毎日ため息の数だけ窓に夜
毎夜吐息の数だけ開く眼
毎日錯乱する音楽が
憂いを売りつけ
毎日壁紙を貼り替え続ける
毎夜蛍光灯の光が
私を眩しく辱める

高い空に焦がれ
白い雲に跨り
微風の宵に躰を預ける
そんな夢を囲いの中で見たら
生き物の匂いが
吸いたくなって

窓の外にいる
誰かの名前を
呼びたくなったのに
誰を呼んで良いかわからない

部屋の中
自力で割れない
残っていた風船ひとつ
今も二酸化炭素を 吹き込んでは膨張させ
私は私を圧迫し 心臓から潰していく

「私の息が まだ、ひとこと分残っています」

独房のような部屋から
飛ばした 赤い風船が燃ている


投稿者 tukiyomi : 2014年04月23日 23:19

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